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京都国際マンガミュージアム

美術部員を5人連れて、美術部向け漫画作画ワークショップなるものに参加してきました。

現役の漫画家先生とアシスタントをされている方が館内案内と作画指導をしてくださいました。

漫画イラストの部誌を2~3ヶ月に一度出すくらいに漫画に傾倒する部員が多い割に、こうしたチャンスに興味を示さない生徒も多く、参加者は全体の1/4にとどまりました。

それにしても、お話によると30万冊の漫画を所蔵し、常時5万冊が自由に閲覧できるように書架に陳列されていますが、壮年から小学生くらいまでの入場者が思い思いのスタイルで読みふけっている様も興味深いものがありました。建物よこの芝生広場で寝転んで読んでいる姿はなんとものんびりした様子です。

この「京都国際マンガミュージアム」は廃校になった旧・龍池小学校施設を改装・増築して作られています。もともとあった地下室に温度・湿度の保たれたガラス張りの保存スペースが設けられ、寄贈された物も含め、貴重な資料としてたくさんのマンガが保管されています。旧小学校のレトロな建物は、京都の町衆の手による豪奢な雰囲気を今に伝える施設なのですが、大人も子どもも集い、活況を見せていました。

さて、生徒たちが指導を受けたのは、「漫画家のアシスタントをしてみよう」という設定で、主人公の黒髪の黒ベタ(天使の輪っか有り)、吹き出しづくり、走っている人の動きを示す線描、注目を集める集中線の4つです。

あらかじめ、7割近く完成した漫画原稿に、上記4つの仕事を加筆していくというので、漫画家の先生が模範を示して下さり、用具の使い方も直接指南いただいての作業となりました。

いつもはぺちゃくちゃと静まることのない子どもたちですが、今日はどの生徒も真剣でした。外国の方の参加があるそうですが、お話では、本校生徒皆、とても真面目で誠実な描画をしたとか。日本人の特徴なんだそうです。例えば、筆ペンによる黒ベタでは、大抵日本人ははみ出すのを嫌うそうです。外国の方は画面をくちゃくちゃにする(曰く、はみ出したら髪が長いことにしてしまう)人がたくさんいるとおっしゃっていました。マンガミュージアムを訪れる外国人が結構居るそうですが、そういえば一階の書架にはたくさんといえるかどうかは分かりませんが、外国のマンガも並んでいましたし、その棚を熱心に見入る外国人の姿もありました。

また、これは意外なことだったのですが、台詞につける吹き出しについてもおもしろい文化比較ができるそうです。日本人は感情表現としての吹き出しの形を暗黙の了解のうちに理解しているということです。強い驚き、心の中の驚き、ちょっとした驚きなどは、吹き出しの形でそのニュアンスの違いを感じ取って読み進めるものだと思っていました。ところが外国人にはなかなかその形の意味が理解されないのだとおっしゃっていました。どうしてなんでしょうね。私たちはコマ割の読み進め方に戸惑うこともありませんが、案外、当たり前なわけではないそうです。

さて、道具の中には、目新しい物がありました。それは水色シャープペンです。墨入れ前の下描きや、アシスタントへの指示メモなどに使われるそうです。なるほどファックス原紙は水色の升目があります。最近カラーシャー芯を見かけたことがあり、何に使うのかと疑問に思いましたが、これは応用が利くグッズだと気づかされました。

その他の用具として、インク瓶とGペン、ホワイト、コインの貼り付けてあった定規がありました。Gペンは使ったことがなかった子どもたち。慣れない書き味に少し戸惑ったようです。インクは楕円の穴にかからないようにつけること、水性の黒インクを使うので、ペン先に手脂をつけてはいけないこと、使い終わったらインクを拭き取っておくなど、きちっと指導していただきました。参考になります。定規に1円玉が3個セロテープで貼ってあったのですが、これはインクこすれによる泣きを防ぐためで、フラットな定規を浮かすための工夫でした。エッジの浮いた定規ならその必要はないのですが、たまたまネットで発注した定規が意に反してフラットだったので、加えた工夫だそうです。こういう問題解決法が大好きです。

指導してくださったのは、精華大学の漫画学科を卒業された方でした。漫画家志望は中学生ぐらいからだったり、本格的に書き始めたのは大学に入ってからだったり。本校でも毎年何人かが漫画家になりたいと希望を語ってくれます。多くのアシスタントを従えて、締め切りに間に合うように日々苦労されている様子がうかがえました。地味で気の遠くなるような制作です。

そういえば、7月に部誌が完成する予定でしたが、締め切りに間に合わない部員のために、印刷原稿が届いていません。共同制作のシルクスクリーンTシャツづくり、個人制作のイラストボードもどんどん迫ってくるだろうし、ましてや各学年の文化祭展示担当として引っ張りだこ(のはず)で忙しくなるだろうと思われるのですが、…う~ん、君たち、緩慢ですよ。

夏休み最後の1日。有意義が半日が送れました。
by my-colorM | 2008-08-22 19:20 | アート