目立つ色、目立たない色

「色は目的に合うように使われなければならない。」

そのことをあらゆるもののつくり手に教える必要があります。

今回は学級の教室掲示を例に挙げましょう。

毎年4月になると新しいクラスに様々な掲示物が作られますが、言うまでもなくその色遣いはとても大切です。特に遠くから何が書いてあるのかがわかる必要があるネームカードや授業予定表などは「可読性」が何より優先されるはずです。

ところが残念ながら毎年これがうまく行われません。私は裸眼では教壇から背面黒板に貼られた座席のネームカードが怪しいのですが、可読性の高い配色ならば何とか判読できます。白いカードに黒や赤などは大抵読めるのですが、オレンジやピンク、細い蛍光ペンなどを使われたら全く読めません。要はカード本体との明度差が大きいことが最優先される条件です。そして文字の太さ大きさを適度に、注目されたければ暖色を中心とした高彩度で低明度な色を用いれば確実にアピールできること請け合いです。

今年も1年の最初の美術の授業は教室で行い、美術で教えることが生活で活かされるようにとの思いを学活で作成したそれらの掲示物を取り上げてコメントするという方法で学習の題材にして話しました。

好きなように自己表現をする場合と「伝える」という目的をもって表す場合とでは選ぶ色は違ってきます。そのあたりの正しい判断ができるようになってほしいと美術を学習する目的のひとつとして説明しました。

目立つ色遣いは、今後、総合学習で自分たちの活動や調べたことをパワーポイントでプレゼンの組み立てをするときにも強調したい事柄です。技巧(不必要にカラフルに仕上げたり、やたら効果を取り入れたがる作者はかなりたくさんいます)に走ることは極力抑えめにして、見るものにストレートに伝わるように可読性を重視する姿勢が欠かせない指導事項だと考えています。

目立つ色、目立たない色。これは教材としても身近でわかりやすい内容ですが、案外担任の先生方からはあまり指導されない穴でもあります。ちょっとした工夫で居心地のいい教室ができるものです。

是非とも気をつけたいですね。