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名古屋の会第2弾(勉強会)のご報告

昨日、Dodeca Circle名古屋の会(第2弾)に行ってまいりました。

今回は色彩学会東海支部主催の講演会:北畠耀先生「貴重書でたどる色彩科学文化史」とその後の懇親会に参加し、改めて勉強会(飲み会)という日程です。





ジュエルさんからメールで詳しいアクセスを教えていただき、名古屋の地下鉄をおっかなびっくり乗り継いで集合場所「八事」駅に到着。同じ電車に別ルートから乗られたきよりんさんと遭遇し、無事遅れずあうらさん、ジュエルさん、ボルドーさんと合流することができました。

ホテルのロビーのような中京大学の玄関口に目を見張りましたが、構内はすぐに大学の学舎に変わり、目的の講義室に着きました。無料でオープンの参加形態にどのくらい参加者が集まるものなのかと思いましたが、すでに3人がけの机がある前方は私たち5人が席を確保した後はバタバタと埋まり、開始時刻が近づいた頃には椅子だけの後方もほぼ満席の状況になりました。

講演が始まり、冒頭で北畠先生は「色彩学貴重書図説」の著者としての思いを語られました。本ブログでも紹介させていただきましたもろもろの事情についてご本人の口から聞かせていただけたのは収穫です。

まずは数年来誰かが編んでくれることを期待して待っていたこと、その長年温めてこられた企画が2006年春の「ペイントショー」に向け動き出し、半年足らずで完成させることになった経緯。そしてにわかに出版するという過程で誤植を招いたこと、しかしながらこだわりをもって印刷をしており、業界で「340線」といえばいかに精細な技術か、図版は教材として拡大して使ってもらっていいし、そのためのこだわりの印刷であると胸を張っておっしゃっていました。

苦々しい思いと色彩学通史を長年海外から蒐集してこられた貴重な書籍で次の世代に引き継ごうとされる先生の思いに強い共感を覚えました。初めて手に取った時の私の思いと全く違わないどころか、今回の講演を聞き漏らさないぞというモチベーションが上がっていく私がいました。素直に真摯に仕事をするという姿勢が共感を生むし、このような大人数の聴衆をもひきつけるのだと思います。

講演はその後2時間にわたり、用意された資料図版(pdf56ページ相当!…手元にも配られた)をプロジェクターで映しながら、それについてコメントするという形で進められました。色彩学通史ということで広く浅くではありましたが、時々関連する詳しいエピソードが加わることから、私のラフなノートも18枚にも及び、濃密な印象を残した講演でした。

お話の中で、関心を持ったのが、広域に戦いと侵略をくりかえす情勢の中でそれぞれの文化が、その土地土地の言葉で翻訳され継承されていったという歴史解釈です。その例としてギリシャの哲学や文化がヘレニズム文化に変遷するというのは世界史の常識です。特にその後の中世以降ヨーロッパ圏のキリスト教支配による空白部分において、イスラム圏がそれを引きついでいたというところは注目点でした。中世、ギリシャの色彩文化や哲学が継承され花開いたのはアラビア世界においてである点はことさらに興味が湧きました。たしかに、かつて訪れたスペインでの見聞を頼りに考えると、コルドバやグラナダの土地にはイスラムの支配とキリスト教徒によるレコンキスタ(国土回復運動)によってキリスト教による再支配の痕跡が残ります。互いに完全に侵略しそれぞれの文化に塗り替えるということではなく、しなやかに緩やかに共存という形で互いの文化が残されています。この例のように異文化がその土地の解釈や翻訳で残されているのだという歴史解釈により、きちんとした視点を与えられたような気がしました。

また、「貴重書図説」を読んでいても目に止まり、スペインでも目にすることができた羊皮紙に描かれた美しい装飾が思い出される「装飾写本」についてです。写本、写経はいわずと知れた手仕事ですが、確かに先生がおっしゃるとおり、聖書は教会には無くてはならないものですから、少なくとも教会の数だけ最低必要です。グーテンベルク以前、修道院での写字生が綿々と行ってきた装飾写本の美しさは是非実物で味わいたいものです。

さらに、最後の方で足早に進められた部分で印象に残ったのがマンセルの「色彩表記法(A COLOR NOTATION)」の中に入っているオマケのひとつ「色彩初等教育9年計画の提案(A COLOR SYSTEM AND COURSE OF STUDY)」の存在です。これは先生からお話を聞かなければ全くスルーしてしまうところでした。最初の年に基本5色の色相を、続いて5色の二次色の色相を、さらに明度、彩度を…といった段階を追って9年間でじっくり色を理解していく道筋が提案されています。さしずめ日本の小中学校9年間で考えるとなかなか含蓄があります。

最終盤はコメントとページを繰るタイミングがだぶるほどの大忙しでしたが、たっぷり2時間の講演が終わり、しばらくすると、講義室は一変、立食パーティ会場と化しました。北畠先生を囲んで懇親会ということなのですが、なんとなく身の置き所がつかめず、とりあえずビールを一杯(遠慮がないよね…)いただきました。隅っこでいただきながら、持参した本に「サインが欲しいよね」と仲間内に相談を持ちかけ、それでもみんなきっと殺到するから…と躊躇していましたら、入場したときの受付に先生が座られ、女性が3,4人列をつくりはじめました。どなたも考えていることは同じなのでした。申し出るまでも無く、サイン会が始まりました。

本を持って、後に続きます。こういうときも我ながら行動が早い私…。この際、以前から疑問に残っていたXYZ表色系の色度図を使った色立体について訊ねてみることにしたのです。

特別に(?)xy色度図のページにサインをいただき、件の質問を投げかけました。答えは明快でした。私の読解で「物体色」の一語が抜けていたことがお話からすぐに理解できました。色立体の概念図が描けるのは「物体色」についてのみです。光源色は光源の輝度に最大値の設定は不可能ですからもとよりY値は表示不能です。物体色に関しては視感反射率Y値を、概念上、白色点を通る垂直線上に表示し、面積の異なる相似形に図面を引くことができます。この図はXYZ表色系をあえて色立体にするならばというありがたい図なのですが、その形がどの反射率においても相似形なので、結局xy色度図は1枚で事足りるのだということを理解するための説明図にほかなりません。聞いてみるものですね。大変スッキリいたしました。

と、後ろを見るとサイン待ちの皆さんがズラリ…。ちゃっかり私は余裕で次の行動にでることができたのでした。

次の行動とは、かねてから大須商店街で出くわして未解決の「赤い疑惑(むしろ黄色い謎?)」(大須商店街)を解明することでした。色彩学会東海支部の主催者(司会者)に光学に詳しい先生はいらっしゃらないかと尋ね、「こうがく」ちがいで「工学博士」を紹介されてしまいましたが、その教授に件の写真を見てもらい、疑問を投げかけてみました。その場では解決しませんでしたが、さすが研究者。「そこに行ってみないとわからないねぇ」と、知ったかぶりをせず、専門外の質問にいやな顔一つ見せず聞いてくださいました。

そうこうしている内に、サイン会も終わり、北畠先生が宴席の方に戻られて貴重書入手の苦労話や手に入れるのにいかほどするのかといった先生でなければ答えられない裏話(でしょうね)を聞かせていただきました。そのお話をされるときの楽しげなご様子に見入ってしまって、せっかくのシャッターチャンスを逃してしまったのは残念でした。

ほどなく懇親会もお開きとなり、会場を後にしようかというとき、私のそばで他のお仲間の名刺交換がはじまりました。私は知ったお顔も無く、名刺すら持ち合わせておりませんでしたので、その様子を門外漢よろしくただ見守っていました。すると別のお仲間の色彩講座の先生がいらして色彩学会でもご活躍の様子でした。そしてその方と一緒にいらした方から予想もしない言葉が発せられ、途端にうろたえてしまいました。

どなたかが色彩講師養成講座の12期ですと告げると、「『ドデカサークル』は有名ですよね。ブログ毎日のように読ませていただいてます」と。しかも「東京にいかれたんですよね」と面と向かって話されたので、穴があったら入りたいけど、部屋の中央の柱の陰に赤面して隠れるしかなく…。今思い出してもドキドキしてしまいます。

あぁ、できたら皆さん読まれた感想でもなんでもかまいませんのでコメントくださいませね。見知らぬ方から突然お声を掛けられると本当に心臓に悪いですから(笑)。

ちっちゃな世界で有名になっちゃった?「Dodeca Circle」の正規勉強会(=飲み会)はその後7時過ぎから「風来坊」に場所を移して行われました。前回所用で参加できなくなったyayaさんが先に到着して待っていてくださいました。

風来坊??店(名古屋にはいくつかあるんですよね)
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名古屋名物「手羽先」 写真は4人前
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素朴な疑問。手羽先は一羽につき2本しか取れませんよね。毎日大量の手羽先が飛ぶように売れていきます。その本体部分はそんなに消費されるのかしらん。なんて疑問が湧いたのです。答えはこちらにありました。「風来坊」が大量に扱うため、国産では間に合わなくなってしまった手羽先は、今では商社を通じて外国から輸入しているとか。スゴイ!!

さて名古屋名物手羽先のおいしい2大チェーン店の「世界の山ちゃん」と「風来坊」。どちらも本当においしいのです。これはきっと2つが共栄するだろうと思います。甲乙つけがたい2つの味。それでも私なら今回の「風来坊」に一票かな?甘辛しょうゆ味にピリッとニンニクの風味も利いて、さらに白ゴマもまぶしてあってヘルシー&ジューシー。本当においしゅうございます。八丁味噌の甘いたれののった串かつも、〆のたらこ茶漬けも美味でした。今回は前回の飲ん兵衛のイメージを払拭すべく、というか胃炎がまだ全快ではありませんので、ゆっくりおビールを一杯(やっぱり飲む…)を楽しませていただきました。ハイ。

色のお話は昼間堪能いたしましたので(?)ここでは近況やらなにやらかんやら楽しいおしゃべりに花を咲かせました。

それですっかり忘れてしまいました。次回のお約束をです。皆さんの意向としましては、今度は北陸あたりで、美術館やワークショップなんかも入れて…ということは出ていたんですが…。となると…?

泊りがけの大きな企画になるとちょっと準備に時間がかかりますね。

10月中旬に大阪で色彩セミナーがあるとか。XYZ表色系に関するセミナーらしいですね。日曜日の昼間だとか。私のところには案内はきていませんが…。それにあわせて参加予定のあうらさんから大阪の会の提案があるかもしれませんね。お楽しみに…。