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光のファンタジー

私は今年中学校と2つの小学校を兼務しそれぞれの小学校で主に6年生の図工を教えています。

2つの小学校では別々の題材で授業をしなければなりません。
それぞれの学校はこれまでの取り組みの流れや児童の実態が違うので仕方がありません。

以前紹介した授業と並行して別の小学校では3色LEDライト(今年教材化されたものです)を使って
「光のアート」と題して6時間かけて制作をしてきました。完成したので紹介しようと思います。





2年ほど前、青色発光ダイオードがその訴訟で大変有名になりました。その発明のおかげで
今やイルミネーションの世界は格段に色とりどりの色彩を放っています。

LEDは熱エネルギーへの変換によるロスがほとんどありません。
ですから消費電力は少なく長時間発光させることができ、大変経済的な明かりといえます。
しかも発熱による引火ややけどの心配もなく教材としてはうってつけです。

小学校で使用した3色LEDライトは単価300円。単4電池3本がついています。
RGBのLEDがタイミングをずらして点滅し、その経過によって1色ないし2色の光の混合により
美しいいわゆる7色の光を放ちます。
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制作はその7色の光を透過、反射するランプシェードを超軽量紙粘土を素材に、ペットボトルや紙コップなどの透明・半透明の支持体を活用してつくるというものでした。

中には風船を支持体に使い、乾燥後に風船を抜くといった制作をした児童もいました。
素材に使った紙粘土の柔らかくふわふわとした触感は子どもたちを魅了しました。
ビー玉を入れる、ホログラムシートやカラーセロファンを持ってきた児童もいます。
ペットボトルに切り込みを入れて組み立てたり、容器を型抜きしツルっとした表面を得た作品もあります。
ライト本体とシェードが固定できるように工夫したり、あまりライトとしては功を奏さない結果でしたが、
紙粘土に色を練りこんで装飾を加えたり、文字や形をくりぬいて光を漏らす工夫など
どの子も試行錯誤を繰り返しながらなんとか作品に仕上げていました。



今回の授業は出来上がった作品を暗幕のある教室に置いてみてその仕上がりを見てみようというものです。
暑い盛りの日でしたが、
「クーラーのきいた多目的ルームを会場につくった作品で『光のファンタジー』と題してみんなでアート空間を演出します。」
そう言って期待感を抱かせつつ、教室で作品を配り、移動して授業を再開しました。

まずは好きな場所に置いて真っ暗な中でライトをつけてみようということでめいめいが好きな場所に置きました。

教室の電気を消すと「おお~っ」の歓声。しばらく色が変わるファンタジックな空間を楽しんでいました。

教室は床がフローリングですので、作品から漏れる光が反射して水面のようにも見えます。
涼しい部屋の中で心地よく変化していく光のアートに寝転んでうっとり見ている様子が暗い中でも手に取るようにわかります。

この後、子どもたちの声を拾ってアート空間の演出を試みることにしました。(あくまで授業はライブです!)
「先生、いっ、せいのでスイッチいれたらどうやろ?」
「おもしろそうだね。よし、それやってみようか!」

全員が自分の作品のところについて合図を待ち、点灯します。一人二人のフライングはありましたが、ほぼ色がそろって変化をする様子に子どもたちはご満悦です。

「今度は置く場所を変える工夫をしてみたいですね。何かアイデアがあればいってください。」
「先生、なんかの文字とか記号とかに置くのはダメですか?」
「ああ、それは名案ですね。じゃ何がいいですか?」
「ハートがいい!!」
「じゃ、それで行きましょう。」

一人一人が作品を持ってうろうろ…。どんな向きどんなサイズという打ち合わせも無い中で時間がたちます。
でもここで指導者が指示しないところに共同制作の醍醐味があります。

子どもたちの中にはどんなクラスにもリーダーは育っていますね。
いつの間にか指示する声が出始め、その声が次第に形になって具現化していきます。

どの子もその経過を検証したいのでその場を離れようとはしませんが、かえって形をつくるのにはマイナスです。

業を煮やして「大体できてきたら後は数名の代表を残して離れてごらん。」
こうして少人数になったところでいよいよ作業のピッチが上がりました。
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一人一人の作品が放つ光がハート型になってあたかも宝石のようです。
このハートの宝石を見つめながら、私とペアの担任の先生から一言ずつ。
担任の先生は「一人一人違った個性が集まってひとつの素敵なクラスが出来上がる、それを表しているようだね。」
と添えてくださいました。

2クラス目はさらに要望が出ました。一斉に点灯する→点灯のタイミングをずらしてみる→「光」の文字に並べる
→「6-1」に並べる、です。

ハート形に比べ文字は時間がかかりました。リーダーに集約することがより難しかったようです。
ここではクラスの担任が見ていられぬとばかりに指示を出してしまいました。

それでも最後には自分たちの力で、判別できるくらいまで子どもたちは頑張りました。
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今回がこの小学校で夏休み前の最後の図工でしたが、完成した作品でアート体験をしつつ、鑑賞もでき、
どうなることかと思いながらの小学校兼務…、子どもたちの思い思いの作品に触れ、正直とりあえずホッとしました。