日本の伝統模様…やっぱりいいですね(^-^)
日本の伝統模様の手法を取り入れたシルクスクリーンによるTシャツづくりです。
シルクスクリーンそのものが、京都の伝統工芸のひとつである型友禅の技法(型染め)から転用されました。
型染めは柿渋を使って切り抜きますが、その型紙を絹の紗にはって使用したところからその名がつきました。
版画の中でも新しい技法ですが、私が今の中学校に赴任してきた年からずっとシルクスクリーンのTシャツに
取り組んできました。
いろいろな版の作り方があり、私が扱ってきた方法は2つです。
ひとつはスクリーンマーカーで描き、それをはじく乳剤でスクリーンを覆う方法です。
これは製版が簡単ですが、多色刷りともなると相当工夫が必要になってきます。
余りにも単純な作品が多くて、すぐに別の技法を求めました。
二つめの技法はカッティングシート数枚を組み合わせ、刷り重ねが可能な技法です。
透明なカッティングシートをほしい色ごとに別版で切り抜いていきますが、かなりの時間を必要とします。
数年、この三版カッティング法を取り組んできましたが、
今年は再び、乳剤を使う技法に戻してみました。
7年前の生徒はそれこそ自由に何でもありでなければ制作しないのではないかと思わせる実態でした。
しかし、最近の生徒たちはこちらのねらいがかなりの部分で通じるようになってくれています。
製版方法のわりにはかなりタフな制作が期待できると考えています。
今回の技法では版のつくりかたこそ単純(といっても多色にしたければ、スクリーンを分割することもできます)
ながら、シルクスクリーンの何度も刷れるという特性を生かして、連続する模様を刷ってつくる染色のように考え
日本の伝統模様をヒントに制作することにしたのです。
生徒には日本の伝統模様を鑑賞するところからはじめ、その魅力、応用性、発展性を学習して
自ら新しいオリジナル模様を考案させるところをじっくり取り組んで来ました。
今、スクリーン枠に専用マーカーで描かせ、乳剤を塗り、マーカーを専用油で洗い落とすというい段階に
入ってきました。いよいよ今度の時間から刷りに入るかといったところです。
今回のテーマは「日本の伝統模様の手法を借りて」ということですが、
多様な模様を自分なりに解釈し、多くが自分の生活に引き寄せてそれぞれに工夫を見せてくれています。
ところで、「日本の伝統模様」の理解は、さらに「造形美の秩序」や「ジャポニスム」などに象徴される
日本と西洋の文化交流にまで学習を広げることができました。
19世紀の末にヨーロッパで流行した日本の文化は、浮世絵であったり、伝統模様だったりしたわけですが、
生徒たちにも日本の独特の美意識を学ばせる機会になったと考えます。
あさっては中間テストですが、まずはその結果はどんなものでしょうか?
きっといろんな模様の名前を覚えたり(といっても、派生してできた模様が多いので、その名と模様は一致します)
ジャポニスムの項目を調べ直していてくれることでしょう…。(過期待?)
花菱
トモエ市松
扇散らし
「T中と造形大学との企画による、アメリアさんの来日」?
詳しいこと教えてほしいです!
京都ではおととし2名採用がありましたが、去年はゼロ。今年は1、2名枠があるとのこと。
どこも採用が厳しい状況なんですね。その代わり、経験豊富な講師さんがあふれています。
シルクスクリーンといっても、中学生にはハガキ版しかさせられません。
費用面もかなり制約がありますので。
それでも、今回のように染織や伝統模様、はたまたジャポニスムまで学習が広がると楽しいです。
私も好きです(^^)前の職業柄、文様についてはかなり勉強しましたよ!
ヴィトンのダミエは有名な話ですが、西洋にもかなり影響を及ぼしましたよね。
私はオーソドックスな麻の葉や、青海波文様が好きです♪
扱ってよかったと思います。授業では創作模様を作品にするんですけどね…。
我が校の美術部員は,文化祭で「シルクスクリーンを用いて,Tシャツとうちわをつくって販売する!」と,はりきっていました。伝統文様の話をしたら,非常に興味を持っておりました。
シルクとは関係なく,採用試験。市内にも美術大学がある故なのでしょうか?それほどまで京都市・京都府の採用枠が少なくて驚きました。
数年前まで,私も京都市内で生活しておりました(^o^)
本当に採用枠少ないんですよね、京都市は。それでいてたくさんの講師さんが採用試験を受けていらっしゃいます。大変ですね。後数年で状況は変わるのでしょうか…。時間数が減らされているので、私なんぞも小学校に兼務していますし…。採用されても条件が厳しいものと考えます。