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物体色・光源色の扱いによって表色系の分類すると…?

色検2級を受験するという方から、物体色・光源色の扱いによる表色系の分類について、
「物体色のみ扱うもの・光源色も扱うものに整理するとどう分類できるか」
という質問を受けました。

顕色系と混色系の分類はなじみがあるし、そのような分類はテキストにも載っています。

そもそも扱う色の種類で分ける…、そんな分類はテキストにあったっけ…?とも思いましたが
あーでもない、こーでもないといろいろと私なりに考えてみました。







表色系を大きく分ける目安として、色票集があるかないかを考えるのは、とりあえず質問の内容に
沿った整理の仕方ではないかと考えます。
また、そのそれぞれの表色系の成り立ちや目的を考慮することも大切ですね。

まず、結論。2級までで学習する表色系に限って整理すれば、

マンセル、PCCS、オストワルト、NCSはそれぞれ物体色を対象としています。
光源色を含むすべての色を対象としているのがXYZ表色系です。


物体色というのは物体表面の色およびそれに準じて透過色にも適用することができるものですが、
それを規定する代表的な表色系がマンセルシステムです。(JISに制定されています)
色票がない部分でも内挿して小数点なども使い、表示ができることになっています。

PCCSはトーン分類が特徴で、限定された色数(201色)の色票(=物体色)をもとに構成されています。

オストワルトも回転混色をもとに限定された(24×28コマ)色数で設定されています。
もともと物体色を混色してつくられていることから対象は物体色となります。

NCSは色票集もありますが、試料についてそれぞれどの要素が含まれるかを評価するのがポイントとなります。なのでこれも主として物体色を対象とする事がわかります。

そもそもNCSは主要色に現実の色ではなく理想的な色をもとに作られている
ということが理解を難しくしています。
(これはオストワルトにも言えます。いわゆる「完全色」というのも現実にはありえない色です。)

しかし、そのような現実にはない理想的な色を混色することで
私たちはさまざまな色が成り立っていることを知っています。
より広い範囲の色を包含するためにはなくてはならない考え方です。

ところで、現実にある色はオストワルトではシフトし切れません(もっと彩度が高い物体色はあります)。
それに対し、NCSは目に見える(現実にある)色すべてを対象としているということになるのです。
となれば、物体色以外も扱うことになるという解釈が出てくるのは当然です。

「光源色」とは色つきLEDやカクテルライトのような色票では表せない色を含みます。
グレア(まぶしくて見続けていられない現象)がなく、安定的に示されるのであれば、
色の見えをNCSで表示することができるでしょう。

しかし、その程度のものだと考えたらいかがでしょうか。

NCSはもともと物理的な混色とはちがい、色の見えを問う心理的な側面から色を表示しようとするもので
色の見えを知覚的に主要色との類似度を判断して表示する表色系です。
安定して見える色であることがその成立条件となります。
その意味で主として物体色を対象としているという分類をしてみました。

それに対し、XYZ表色系は色光の三原色の加法混色による等色理論をもとに、
すべての色をその三刺激値で規定しようとするものであり、物理的な混色に
基づいているものですから、光からスタートしています。
ですから、そもそも光源色に対応しているわけです。


XYZ表色系は理論上全ての可視光域の刺激についてマッピングできる表色系です。
人の色の見えはそれよりもかなり限定的と言わざるを得ません。

全ての色>256×256×256≒1677万色(ディスプレイにおけるRGBの調整による色数=光源色)
>750万色(人の目の判別可能色数)≒NCS>物体色の色数≒マンセル>オストワルト
>PCCS
こんな図式が私の頭の中に浮かんでいます。


表題の質問に対する答えとしては妥当といえるでしょうか?


検定が近づいていますが、表色系は大変重要ですね。
その成立過程や表示方法、色相環、色立体については確実に覚えておきましょう。