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5年生には負けたくない!!写真UPしました!

6年生が修学旅行に行っている間に5年生も同じ題材「手のスケッチ」をしました。
ペアを組んでいる先生から同じ題材で是非やってほしいと言われたので取り上げました。

5年生にはおもしろいポーズを引き出すねらいで、授業を構成し直し、
先にブレーンストーミング法によって「ユニークなアイデア」を出す学習をしました。
その授業のあとから生まれた手のスケッチの作品はポーズが多様で、
それぞれの子どもたちの取り組みが生き生きと伝わってきます。

5年生の担任の先生に6年生の作品と比べて見てもらい、そのいきさつを話すと、
「言葉かけ一つでこんなに変わるんですね。」と驚きを示してくださいました。

今回はこの5年生での成果を利用して6年生の心をゆさぶろうと考えました。








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「ステゴサウルス」「親指のかくれんぼ」「第一関節まげ」のタイトルがついたスケッチを
6年生の教室に持っていきました。
名前のところを付箋を貼って隠した1枚目の作品の見せながら
「最近、みんなと同じように手のスケッチの授業をしました。」といいます。
そういうと子どもたちが提示した作品に一斉に目を向けました。

 「なんかすごい。」「うまい。」「指が反ってる。」反応が聞こえます。
 「ス…テゴ…サウルスって書いてある。」近くの生徒が見つけて言うと
 「あぁ、ホントだ。」「おぉ、見える見える。すごい。」
 ちらほらとポーズをつける子どもの姿も見られます。

「そうだね。実はタイトルもつけてねと言ったのです。」

「ところでみんなのスケッチはこの作品と違ったね。何が違ってましたか?」

 「僕らのはパーしかなかった。」「手のひらとかしか描かなかった。」

「そうだね。手のスケッチをしますと言っただけだから、どんな風にも描けたはずだけど
手のひらか手の甲かしかなくって、先生驚いたよね。
それでアイデアをたくさん出す訓練をしました。思い出しましたか?」

「で、これは誰の、というか何年生の作品だと思いますか。」
 
 「中学生ですか?」「○○小学校(…対抗意識がキラリ)ですか?」

「実はみんなが修学旅行に行っている間に描いてもらったんですよ。では何年生でしょう?」

 「え?5年生?」「うっそー。」

「はい。そうです。5年生ですよ。みんなどう思いますか?」

 「6年生が負けていると思います。」「僕らちょっと情けないです。」 

「実はね、これを描いてもらったときは先にアイデアを出す授業をしたのです。
そうしたらこうなった。君たちももう前に手を描いたときの君たちじゃないはずです。
だから、大丈夫です。きっとみんなも描けると思いますよ。」

「さあ、じゃあ、どうしますか?」

 「もう一度描きたいです。」「5年生に勝ちます。」「チャンスをください。」
 子どもたちに闘志が湧いています。目の輝きが感じられます。
 
さて今日は「修学旅行の思い出」ということで、
担任の先生が用意してくださった宮島土産のしゃもじに描くという題材を用意しています。
同じ題材を与えなくても、ついた火を次の題材に生かすことができると感じていました。
実は5年生と比較させた今日の目的はそこにありました。

「6年生が5年生を見返したいという気持ちになったのは当然だと思います。
是非リベンジしてください。
さて、みんなは5年生とは違う経験をしてきましたね。何ですか?」

 「修学旅行…?…ですか?」

「そうです。みんなが負けたと感じたのは実は何が負けたのですか?」

 「アイデアです。」「ユニークってところ…。」

「そう。そのとおりです。だから手のスケッチはまたいつかやればいいでしょう。
だから、今回は新しい課題で5年生に勝ってください。できますか?」

 「やります!」「がんばります。」「やらせてください。」

素晴らしい反応でした。授業でこのような闘志をみなぎらせてくれる子どもたち。

今回は修学旅行の思い出に取り組みます。
「広島」、「宮島」、「姫路城」。見学地の題材は限られています。
ユニークな取り組みはさてどう展開していくでしょう。

行き先で描きたいところを選び、資料を見ながら描く…。
これではいくつかの表現しか出てこないでしょう。

子どもたちが喜んで豊かに表現しようと思える仕組みを作らなければなりません。
そこで利用しようと思いついたのが「しゃもじの2面性」です。

修学旅行は行き先の思い出とともにそこで出くわしたハプニングやエピソードが
心に残ります。子どもたちからその出来事を引き出すことにしました。

「先生が修学旅行というと忘れられない思い出があります。
それはとっても痛~い思い出です。みんなは痛い思い出はありませんでしたか?」

私の思い出はというと中学で京都・奈良を訪れたのですが、
事前学習でねらいをつけていた法隆寺の夢殿(八角円堂)を目の当たりにして、
興奮してはしゃいでいるうちに
L字金具にしこたまほっぺたを打ちつけたという痛い思い出なのですが…。

 「突きゆびしました。」「お風呂でこけてしまいました。」「朝友達に5時に起こされました。」
 …

と続き、そのあととっても詩的な痛い思い出を語ってくれた子どもがいました。

 「私は原爆資料館に行って、心が痛みました。」

この感性にはとても心を惹かれました。質問してよかったと思いました。

さて、授業に戻ります。
「みんなの思い出をしゃもじに描きます。しゃもじの表は掲示板にはりだしますので、
ここへ行ったよとか、楽しかったよというのが伝わる絵を描いたらいいと思います。
で、しゃもじには裏もあるよね。そこには自分の経験したことやこんな出来事があったとか
裏話みたいなことを自由に描くというのはどうですか?」

子どもたちはその提案を待ってましたとばかりに受け入れました。
どっちからやろうかなと微笑みながら目を宙にやっている子どももいます。
とても楽しそうでこちらもうれしくなります。

しゃもじは一本50円だそうです。けれど、自分のあれこれの体験をここに描いたら
どれほどの値打ちが付加されるでしょうか。
そこに目を向けて大切に制作してほしいものです。
「一生に一度の経験を50円のしゃもじに描くと、いったいこのしゃもじいくらになるのかな。」
などと声かけをすると作品に丁寧に向かっていきます。

A4の上質紙を8分割で折らせてアイデアを描かせます。ちょうどよい大きさです。
鉛筆で練習をして、油性ペン・色鉛筆で本描きします。
しゃもじにどうしても鉛筆で下書きをしたがりますが、
下書きを許すとどんどん線が濃くなり、本描きの上から消しゴムを使っても
消せなくなります。

失敗を恐れて下書きをするが、下書きによってしゃもじを汚す…。
はたまた、直描きして失敗を覚悟するか…。

子どもたちは真っ白の木肌を前に迷うわけです。その姿がとてもいとおしい。

ある女の子が、「広島」と書きたかったのですが、
隣の席の「平島くん」の名前をしゃもじにペンで書いてしまい、大変な落ち込みよう…。
下書きを見るとやっぱり「平島」と書いていました。

何とか救う手立てをと考え、「!」。「和・広」を中にいれ解決を図らせました。
隙間を見つけてしゃもじの上のカーブに合わせたので名実とも円く収まりました。
 「おぉ、先生のアイデアに救われたな。」と前の男の子が声をかけていました。
彼女はこの出来事により、きっと隣の「平島くん」も修学旅行も忘れないだろうと思います。
それこそ、プライスレスな価値です。
そして、他の子どももアイデアで問題を切り抜ける知恵の一端を学んでくれたと思うのです。

毎回、授業はライブ。私たちは常にアンテナを張り巡らしておく必要があります。
いすに座って、子どもたちが静かに作業をするのを監視しているというわけにはいきません。
何が起こるか、どう展開するか、本当にワクワクしながら進行します。

6年生がどんな「修学旅行の思い出」を描いてくれたか、また写真をUPしようと思います。

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