PCCSを整理すると…?(まだまだ授業案にはほど遠い)
ポイントをしぼりつつ、取っつきやすく展開するにはどうしたらいいでしょう?
苦しい課題です。
練習時間も確保しなければなりませんし、ツールもそれに従って作らなければなりませんからいつまでもぼんやりしていてもしかたがありません。
そこで、授業の進行を考えて(自己紹介は省きます)とりあえずまとめていきます。
…
PCCSとは日本色彩研究所によって開発された「日本色研配色体系」「Practical Color Co-ordinate System」の略で、色彩調和を主な目的としたカラーシステムです。つまり実用的な配色用のカラーシステムとして日本で開発された表色系ということができます。
PCCSの各属性はHue(色相)、Lightness(明度)、Saturation(彩度)といいます。マンセルはHue、Value、Chromaでした。表色系ごとに言い方や考え方が違いますので気をつけたい所です。
早速、PCCSの色相環を見てみましょう。(ツール…巻末付録の拡大版)
PCCSの色相環は24色相で構成されています。これらPCCSの24色相には1~24色相番号と英語の色名の略号からなる色相記号と、日本語の色相名、英語の色相名で表示されます。例えば「赤」を示す色相には3つあります。もっとも赤らしい赤「2番」を色相の中心の色と言い、記号はRの大文字で「あか」といいます。やや紫に偏った1番の色には「紫みの」に当たるパープリッシュの小文字pを付けて、pRと表し「紫みの赤」といいます。またやや黄みに偏った3番の色はyR「黄みの赤」と言います。表示のしかたは1:pR、2:R、3:yRと書きます。(板書)大文字のみで表す色は中心の色で12個、小文字は色みの偏りを示すもので5個あります。その特徴はテキストをよくご覧になって理解していきましょう。ここで気をつけたいこととして14・15の青緑と17・18の青の色相の違いが色相名では区別できないということです。もう一つ、マンセルでは青紫はPBで表されていましたが、PCCSではバイオレットのVを使っています。間違いやすい所ですので気をつけてください。
色相の表示については昨年の出題でこのような問題が出ています。「PCCSの色相記号の9:gYは( )である。」…答えは「緑みの黄」ですよね。
PCCSの色相環はテキストの巻末付録1を今回の宿題としますので、新配色カード199を使って枠内のカラー番号通りに切り貼りして次回講座までに完成してきてください。色相環にどのような色が選ばれているかについては大変重要な項目ですので、やってこられた宿題を使って次回改めてお話し致します。
さて、PCCSの明度と彩度を見ていきましょう。(等色相面の掛け図)
PCCSの明度はLightnessといいます。この図で言うと中心軸にあたる無彩色の明度段階はJISの色の表示方法と関連をとるためマンセル明度に沿っています。最も明るい白をマンセル明度の9.5とし、最も暗い色を1.0として9段階に分割し、中間明度を内挿して17段階とします。この図のように簡略化して用いる場合は黒を1.5とし、9.5まで1ずつ繰り上がる9段階で表します。
PCCSの彩度はSaturationといいます。異なる色相同志の彩度が知覚的に等歩度になるよう構成されています。各色相の純色(もっとも彩度の高い色)に近い高彩度色で知覚的に同彩度となるように、まず各色相の基準色=最も純色に近い色=最も彩度の高い色を選び、その基準色の明度と同じ明度段階の無彩色の間を知覚的に等歩度(見た目に等しく感じる間隔)となるよう9段階に分割して彩度段階とします。
これら三属性をもとに色を表示すると次のように表されます。(ツール)
左のように、色相明度彩度の間をハイフンで続けて表すのです。無彩色はnの記号に明度値を付けて表します。
PCCSのもっとも特徴的な考え方として、明度と彩度を「トーン」という概念でまとめ、「色相」と「トーン」の二系列で色彩調和の基本系列を表す表示方法があります。(ツール…トーン概念図)
(トーン図の掛け図)
先ほどの三属性による色の表示方法に加え、このヒュートーンシステムによる色表示がPCCSでは一般的です。これから使っていただく新配色カード199のカードの裏にトーンと色相番号により色が表示されています。(新配色カードの提示)トーン記号の小文字と色相番号で色を表示しているのです。
巻末の付録を宿題とするといいました。今日の復習としても、今後の学習のツールとしても大変役に立ちますので必ず取り組んできてください。
これで終わります。
…
長~いっ。ヤバ~い。
しかもトーンなんてほとんど説明していない…。
はしょりすぎですよね。竜頭蛇尾って感じです。
色相環をやめようか?
新配色カードの活用、配色がらみにしぼろうか?
難しい…。間に合う?これ。
ううっ…。
これ、今度の認定の模擬講義の準備ですか?
だとしたら、盛り込みすぎです。そして、このまま展開すると、『講義』ではなく『演説』になりそう。
AFTの認定の試験は、10分で生徒の心をつかめるか・・・と言うのがポイントだと思います。
例えば『PCCS』を選んだ時、10分間ですべてを説明せよ!ではないはずです。(無理ですもん)
PCCSの中の、何処を切り取って説明したいかを絞ることをオススメします。
それから、模擬講義用の練習会に参加される方にも必ず申し上げるのですが、文章にしてしまうのは危険です。
もちろん準備段階ならOKですが、実際に立っての練習に入ったら、
1) PCCSの名前について
2) PCCSの特長について
3) PCCSの『ものさし』としての柱(属性)について
などと、ポイントだけをメモしておかないと、全部読みたくなるんですね。
Mayusanはプロですから、私などより、よくわかっていらっしゃると思いますが、『読む』と生徒の顔を見なくなる・・・
AFTは、この辺を突いてきます。『ダレが主役の講義か』と言うことですよね。
この5分の1でもいいかもしれない・・・そんな気がした老婆でした。
ペーパーは一切見ないでやる。これまでの全ての発表は受講者に目を向けて取り組んできました。今回もその通りです。
全体でA42枚ありますからとんでもないと考えていますし、どこをポイントにするかをとりあえず考えるために想定してみたというところです。
こうやって助言をいただくとありがたいです。
5分の1ですね。
Miyabiさん、逆に質問していいですか?
この際、全体の授業(50分程度)として巻末付録の色相環とトーン図をカラーカードを貼りつける演習授業と考えて、その前段という設定でPCCSの名前や特徴、カラーカードの記号を使ったトーンの理解とかを解説するという組み立ては「あり」ですか?
Mayusan プロなのに・・・
なんだか、ついつい老婆心が杖突ながら現れちゃって・・・
ご質問についてですが、面白い切り口ですね。
色相環とトーンの両方は辛いかもしれないけど・・・
でも、『演習』を想定しての模擬講義はあまりないと思うので、オリジナリティもあって、とっても面白いと思います。
私も、実際の授業で、使ってみようっと!
ご指摘の通り、色相環とトーンの概念の両方の演習はきついですね。
それとAFTには「等色相面」と「トーン図」の掛け図をお願いしたのでトーンの概念に重点を置く展開を考えなければならないのですが…。
ただ中学生の心をつかむ教材としてつくった「心理補色」の実験があるので、それを扉にして「色相環」もいいかなと思っていたので悩むところです。