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[つきいちきょうはく]と読んでください。

今年1年、京都国立博物館に通い、博物館運営や展覧会などについてレポートする博物館モニターに(応募して)選ばれました。

そこで、表題の月一京博、「月に一度は京都国立博物館に通う」を今年の個人的目標にしようと決めております。

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懐かしいですね。ロダンの考える人。

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こちら明治古都館。ここで特別展覧会が開催されています。
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新学期のバタバタで、なかなか出にくかった4月。今開催されている特別展覧会は写真の通り「桃山時代の狩野派永徳の後継者たち」。今日出かけて、結果、展示前半会期の最終日にすべりこみセーフでラッキー!といった形です。狩野派といえは豪壮華麗。現存が少ないと言われている桃山時代の金碧大画にいくつも出会えました。今回は永徳の後を引き継いだ絵師たちに焦点を当てた展覧会。豊臣家、徳川家、そして朝廷と三つ巴の構図の中で、したたかに一門の生き残りを賭けた狩野派の戦略が紹介されています。

いろいろありましたが、私としては、初公開の山楽の「槇に白鷺図」と二条城の将軍と大名が謁見する二の丸御殿の大広間三の間の障壁画である若き探幽が描いた「松に孔雀図」がこれぞ狩野派を代表する絵だと感じました。

後半の展示替えが5月1日からなので、5月は美術部の遠足で連れて行く予定です。学校に眼鏡を置いているので、次回こそは視力を矯正して鑑賞します。>_<

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今日は本当にいいお天気。昨年新築オープンして大人気の平成知新館の前に咲くサツキがもうすぐ見頃を迎えます。お出かけにもいいですね。

あと、ミュージアムショップで見つけたのがこれら。
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これを見つけた時は驚きました。監修の「青い日記帳」ってかつてよく訪問させてもらっていたブログでしたから。即買い。
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「花鳥の夢」は本の表紙絵で。友人の仕事です。こちらも即購入してしまいました。

展覧会はフリーパスですが、ショップでついつい買いすぎてしまいます。気をつけないと…。

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今年春からはじめたのが、赤ペンだけでなく、ご褒美スタンプで生徒の頑張りに応えること。たまたま、ア◯ゾンで、インクカートリッジを購入しようとして、◯◯円以上購入したら、値引きで買えるという状況で、この際何買おうかと文具をあれこれ探していて見つけたのが、「ちびギャラリー木製ごほうびスタンプ」。

魚のアップの絵に「うお、すごい」とか、パンダが泣いてて「感動した」、象で「いいゾゥ」…。どのスタンプもウィットが効いていて、ユーモラス。もらって納得のコメントばかり。吹き出しタイプで自由にちょっとしたコメントも書けるものもセットされているなど、先生スタンプの中でも秀逸な部類に入ること間違いなしです。

グッズに後押しされる形ですが、生徒のノートやプリントへのレスポンス頻度を上げて、双方向のコミュニケーションをとって成果を上げられたらと思っています。

これまた、追加購入で只今5セット目。なかなか味のあるスタンプにコメントするのが楽しみになってます

昨年秋に、息子が渋谷に越して蔦屋書店が徒歩圏内に。夏に「筆記具考」として紹介いたしました、エントリー向けで安価な万年筆の赤いペリカーノはそこで見つけたものです。以来、赤ペン先生よろしく、ペリカーノと赤インクを採点ペンとして使ってきました。インクボトルのコスパが気に入ったのと、ボールペンに無い滑らかな書き味に惚れ込んで、提出物のコメント書きになくてはならない存在になりました。赤のみならずブラック、ロイヤルブルーのボトルと専用のコンバータ(インクカートリッジに代わるシリンダー)をネットで追加し、インク色分の万年筆を揃え、私の筆記用具の定番になっています。

ペリカーノは中字ということですが、テストの丸つけにちょうどよい太さ。細かいコメントを書くのには向かないので、再び蔦屋書店に赴いた際に、ラミーのアルスターEF(極細字)タイプを見つけ、使い始めました。

ペン軸の色とインク色を揃えて、中字・極細字とついつい6本も買ってしまいましたが、出番があまりないのが、ブラック。使わないとペン先でインクが固まり、書けなくなってしまうのがとても残念なんですよね。

昨年から副担任をしているクラスの学級日誌とか自主勉強のノートに赤ペンでびっしりコメントを書くようになったのですが、筆記具の書き味が気に入っているから続いているのだと思います。また、昨年から授業で導入して、今年さらに充実させようと考えているクロッキーブックにも、どんどんコメントを書いて活用を促したいと目論んでいます。書き味滑らかで程よくフィットする万年筆は、これからも大事な相棒になること間違いなしです。


時間を管理することが、ここのところの課題になっています。夏休みが終わり、授業再開と共に、学校の三大行事の内の、合唱コンクールとフェスティバル、その間に定期テスト、それから参観、研究授業と進んで来て、先日、三年生の懇談会前ということで進路検討会があり、本日より、三者面談が始まりました。

怒涛の日々を過ごして、ふと気づけば、秋も深まりを見せているではありませんか。

また、私事ですが、この間に息子が私の用意した住環境から、渋谷に新天地を求めて去って行きました。そのことと次第は筆舌に尽くしがたいものがありましたが、口を開くと収拾がつかなくなりそうで…。

というわけで、筆不精をしております。

そんな私めにも、誕生日が訪れました。
年齢だけは順調に重ねております。

そうそう、武蔵美の来年度用の教員免許更新講習の受講生の声に寄稿することになりました。
なんだか夢のような数日間でしたが、筆不精ながら、振り返ろうと思います。機会があれば、また、読んでみて下さいね。


教員免許更新講習の一日目に、全部改正された教育基本法の特徴を解説する講義がありました。その講義の中で、講師から、「日本の伝統文化を継承すること」が、私たちの教科、美術との深く関係がある箇所だと言われました。

ならば、日本の伝統文化とは何か。その、当然説明の出来そうな問いが、案外あやふやなものであることも、今回の更新講習の四方山話として提供されていました。日本の文化、芸術を突き詰めていったとき、古来から引き継がれてきた日本固有の文化というものはなかなか見つからないのだと。

日本の文化は、文字はもとより、宗教、建築、芸能、美術、その他もろもろ、多くが中国大陸や朝鮮半島を通って(主として渡来人を介して)、伝播してきたものであるのは明白です。中には平安時代や鎖国政策がなされた時代に独自の発展を遂げたものもありました。

しかし、明治維新に伴う文明開化以降、欧米化・近代化が急激に進むと、中国大陸、朝鮮半島はもとより、オランダやポルトガルといった西洋をも含む異国から伝播し、醸成・発展して花開いた江戸の文化は、古く遅れたものとして、先進的な物や技術・思想に駆逐され、多くが廃れていきました。もちろん、欧米化のもと、工芸品を中心とした日本の優れた文物が、ヨーロッパに紹介されて注目を浴び、独自に、急速に発展した分野もあるにはありますが。

また、明治政府の神道国教化政策のもと、廃仏毀釈が進められ、破壊・遺棄された仏教美術も多く、文化的な損失は計り知れないといいます。さらに度重なる戦争の混乱下、焼失、散逸を余儀なくされたものも少なくないことでしょう。

さて、U氏により再現された土佐光起の色見本のことを、前回取り上げました。氏も、伝統という言葉に意見がお有りのようで、日本の伝統美術とは何か、日本画とは何かについて、様々な切り口で語られました。

まだまだ不勉強な私の頭の中で、氏のお話は実際、消化しきれていません。もやもやしたままでは何だか気持ちが悪い。そこで少し頭を切り替えるつもりで、「日本画とは」で検索を試みました。そこで見つけた山種美術館のHPが秀逸!日本画に関する、アカデミックな解釈として、これに勝る解説は他に見つかりません。とてもわかりやすい解説でしたのでURLを紹介させていただきます。まずは一読を。



山種美術館「日本画とは」

さて、U氏のお話にもどします。氏は、このような日本画のアカデミックな解釈に対して異論を展開されたのです。特に、油絵を主とした洋画と、これまで○○派として伝統的に続いてきたいく筋かの流派との間を分類する材料に、「画材の違い」を取り上げている点に違和感を持たれているようでした。

氏は、今も昔も、日本画だけが、岩絵の具や泥絵の具を膠で基底材に接着するものではないはずだと力説します。「何故なら、大昔は、…」と言って、一つの石をどこからか運んできて、ご自分の手元にコツンと置かれました。

「人と獣の決定的な違いが、この石をどう使ったかにあると私は考えているんですね。」
と。


何が展開して行くんだろう。氏との楽しい日本画談義はまだ始まったばかりです。

つづきは、また次回に。