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新任地に赴いて2週間になろうとしています。最初の1週間は先生方との出会い、そして着任式があったのが6日ですから、生徒達との出会いは実数で3日足らずです。これから名前を覚えなくてはならないのは先生と生徒、合わせて465名。昨年度までは、1年ごとに100名前後追記していく程度でしたから、それほど大きな負担は感じませんでしたが、500人近い名前をとなると、正直ビビります。今のところ、顔と名前が一致してきたのは先生方全員とほんの少しの生徒だけ…。接する機会を持てる人しか覚えられないので、名前を聞き出しては、顔を見ながら、「○○さんは…」と付け足しつつ質問し、それに答えてもらうというやり方で、とにかくたくさんの人と話すことを心がけてきました。

幸い?校務分掌が、名簿を扱う仕事となり、とくに給食事務(先週の私の仕事時間の7割を占める!)では名簿作成とともに、その名簿とにらめっこして申込者の確認作業したり、各担任の先生方へのお知らせをつくったりと、PC画面上で、何度も名前を見る機会がありましたので、後から、あっ、この人が○○さんか…、という場面も結構ありました。

着任式・始業式の日のこと。そんなちょっとした焦りを、ある生徒が察知したようです。私に向かって、名前を訊いても答えなかった生徒の一言です。「距離感測りや、近すぎるねん!最初から。」と。その後、聞こえるような距離と声とで、なじみの先生にぼやいていました。「せっかく、ホンマ、(前任の先生に)やっと心を開いたと思ってたのに、いなくなってんねんで。そんなの無いやろ、もうっ!」と。見知らぬ教師に慣れ慣れしく近づかれて、きっと戸惑ったのだろうと思います。どの生徒も新しい先生達に対して様子を見ているにちがいありません。こんなに自分に正直な生徒にこそ、じっくりと接しなければならないと思ったものです。

2日目。最初の学活では、互いの緊張をほぐす、「アイスブレ-キング」をしました。まずは「YES・NOクイズ」。まずは担任が自己紹介を兼ねて、自分のことについて出題し、小集団(3~4名)で話し合って、答えを出させます。担任は、解答するときに写真を交えて補足説明をしながら、楽しく自己紹介をしていきました。私もその先生の意外な一面に触れて関心が深まりました。

私は副担ですので、それほど前面には出ませんでしたが、「出身地」と「夢」について触れました。私は、関西出身ではありませんので、未だに言葉に違和感を持つ生徒が少なからずいます。始めに言っておくとわかってもらえるかなと思ったので、出身地を紹介しておきました。また、生徒は結構ずけずけと年齢を尋ねてきます。何度も答えるのがめんどくさいのか、よく「28歳」とごまかす先生がどの学校にもいるものですが、私はこれまで結構Openにしてきました。ま、でもストレートにいくつ、と申し出てもつまらないので、「夢」を持ち出したのです。「私の一番の夢は、100歳まで生きることです。生きて私の生まれたこの世の中がどう進歩していくのかをしっかりこの目で見てみたいということです。」と語りました。「そして昨年、その折り返し地点に到達したんですよね。」これで年齢紹介終了です。

ところで、この私の夢についての余談ですが、3.11を境に今後の50年は発展、進歩ばかりが訪れるようには思えなくなりました。しかし、この世に生まれてきた者として、続いてきた世の中の繁栄が、さらに続くことを信じながら過ごしていきたいと思っています。

さて、次の時間は、学年集会です。担当教師と生徒達の直接の出会いの場。ここでのアイスブレーキングに用いられた手法は、「マイバッグ」です。マイバッグでは、自分の大切にしているものや、意外な一面を知ってもらう機会として、趣味に関するグッズを全員が一つの大きな鞄に入れておき、一つずつ取り出しては、観客にその持ち主を当てさせ、持ち主はその物について語りながら自己紹介をしていきます。物が介在することでどの人も雄弁になりますし、互いに緊張がとれて、気持ちがほぐれてくるのがわかります。

私は、高3の時に描いた油絵の自画像(F6サイズ)にしました。もうヤニ色にくすんではいますが、自分の作品ながら、意気を感じる作品です。進路決定を控え、美術教師になろうと心に決めた頃に描いた自画像なので、その頃の思いがよみがえり、初心に立ち返らせてくれる作品でもあります。私にとっては心機一転を表す象徴的な物と言えるでしょう。当時よく着ていた紅白のボーダーTシャツに、赤いエプロン姿、短髪の男の子みたいな胸像。私は今でも面影があるなと思っているのですが、生徒達はキョトンとしていました。中学校の美術教師を夢見ていた頃の自分と、先ほどのクラスで紹介した最新の「夢」を添えて自己紹介を終えました。

マイバッグに入っていた物は、そのほかに、留学時代に買ったカウボーイがつけるようなテンガロンハット、料理本、虫とり瓶、ストップウォッチ、ウエークボードの手綱(生徒との実演あり)、龍笛(試奏…やや失敗→相当ウケた)、バンドで手がけたCD(その音をバックに熱唱あり)、ジャックナイフ、…そして、私のペアの担任は、スケッチブックのような手品(さりげなく実演→大きな歓声と拍手)でした。

「マイバッグ」。それだけで生徒と学年団が近づけたような気がしました。その後、生徒の前で整列、学年主任が付け加えます。「たくさんの先生方と別れて、君たちにとっては残念だし、寂しい気持ちなのはわかる。けれど、また新しい先生がやってきた。そして、先生方はちょっとでも距離感を縮めたいと焦っているかもしれない。なぜなら君たちとは1年しか時間がないから。早くみんなのことを知りたいと思う気持ちがあるからなんです。みんなもその気持ちをわかって欲しい」と。主任さんが私たちの気持ちを代弁してくれたのでとても気持ちが軽くなりました。

人と人とは話すことで互いを知ることができます。近しい人でさえもしゃべらないと気持ちや考えが伝わりにくいものです。ましてや新しく出会った人とは積極的にきっかけを作ることが必要なのです。笑顔で明るく、誠実に、そして自分から心を開いていく努力をして。

明日からは授業がはじまります。まだ、授業について検討する時間が十分でないままスタート、というのが一番気がかりなのですが、こちらこそ焦らずじっくり取り組んでいこうと思います。
by my-colorM | 2011-04-10 08:31 | 日記