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今週は駆け巡る!

そんなはずだったのに、明日の「総合」(キッズゲルニカ彩色の)裏番組の準備のため、美術準備室に夏休みの宿題作品を取りに行き、職員室に運ぼうとした矢先、両手に抱えた作品のために足下の見えない階段を降りる際、

グギっ!

踊り場にあと一歩というところで、捻挫をしてしまいました。20:30のことです。

かれこれこの同じ左足首を何度ぐねったことか…。

あ~ぁ、やっちゃった~。

私の悲鳴に、たくさんの先生方が駆けつけて下さいました。

保健室で、緊急に用意して下さった氷水バケツに足をつっこみ、冷却。体育科の先生手ずからテーピングを巻いていただき、雨の日に送って下さる近隣にお住まいの先生に家まで車で運んでいただき…。

と、手厚く、応急処置および搬送までしていただきました。

冗談だとは思いますが、呆れ気味のパパから「2、3日休んだら…?」と。

ハハっ、この2、3日を休めってか。アホらし。

こちとらやらなきゃならないことがてんこ盛りなんでぃ!

…あぁ、それなのに。

とりあえず、心身共に、マジで相当イタイ…捻挫である。(/_;)
by my-colorM | 2008-09-29 23:29 | 日記
東京で暮らす息子が久しぶりに帰省してきました。

大学は10月から冬学期が始まります。2ヶ月の夏休みの最後に5日ほど京都に帰り、また東京へ戻っていきました。

新学期からは、教養学部から専門学科に移行する由、あまり聞き慣れない学科に決めた様子。一応、第一希望が通ったとのこと。別段心配していたわけではありませんが、とりあえず、先端技術関連の学科に照準をあてて、今後の学業を進めていこうということだけは確認できました。まずはホッとしています。

帰省中、哲学に目を開いてくださった恩師や小学校時代の幼なじみと夜っぴき語り合えたようです。おかげで俄然勉強への意欲が湧いたとの弁に、遅くまでつきあってくださった方々に感謝致します。

かくいう、母親の私なんですが、この時期、がっつり学校祭の取り組みが佳境に入ります。毎年、帰宅が遅く、なかなか親子三人水入らずで過ごすことが難しいのです。けれど、それでもかろうじて2回の夕食を共にすることができました。

2歳半のときに撮った旅行先のビデオが、我が家の傑作の一つなのですが、それを観ながらの食事。幼くて、屈託のない様子に、とても今の彼と同じ人物とは思えない!と私たち夫婦は思うのですが、息子にしたら、このときすでに今の自分の姿が垣間見られるとしきりに言っていました。現在の自分に通じる何かを感じ取ったらしいのです。いやぁ、私にはそうは思えませんけど…。

さて、節約人生の息子。行き帰り格安夜行バス利用での帰省。明朝上京と相成ります。

息子よ、元気で、とにかく、しっかり食べて。そうして、まぁ、自分の選んだ学科に、とりあえずは、おきばりやす。
by my-colorM | 2008-09-26 22:50 | 日記
夏の集中講座に参加させていただきました、日本色彩研究所の色彩指導者養成講座の、第27期隔月開催型の申込み締め切りが明日9月25日に迫っています。

集中講座は、私のように勤務地が離れていて受講できる条件が限られている場合、本当に助かったのですが、比較的近い方なら、じっくり学べる隔月型というのが、しっかり学ぶ上で、うってつけなのではないでしょうか。隔月の平日(木、金)に参加できる方はお急ぎくださいね。

内容は、広範な色彩学を様々なアプローチで学ぶことのできる、本当に楽しい講座です。

この機会に色彩学の上級講座を受講してみようという方は是非。おすすめです。
by my-colorM | 2008-09-24 22:45 | 色の話
ピカソが、『ゲルニカ』に要した期間は約一ヶ月。

1937年パリ万博のスペイン館の壁画制作を依頼されていたピカソ。「ゲルニカ空爆」の5日後の5月1日、「ゲルニカ」の構想が始められた。世紀の大作「ゲルニカ」は、5月11日にキャンバスに描き始められ、6月4日に完成している。

こうして構想から完成まで約一ヶ月で、かの世紀の名画はこの世に誕生したのである。

さて、我が方の「キッズゲルニカ」は、実質8月29日の展示リーダー会議からスタートしました。ステージ上に掲げるのは10月1日。9月一杯で完成をしなければなりません。これはピカソの制作期間とほぼ同じといっていいでしょう。

かのピカソは天才とはいえ、この間に45枚の習作を残し、およそ350cm×780cmの画面に一人で立ち向かったわけですが、こちら「キッズ」は58名の生徒と4名の教員スタッフがいます。

制作にあてられている正規の授業時間数はガイダンスを含め10時間。放課後や時間外にスタッフの企画の時間をつくるとしても、結構かつかつの時間と言わなければなりません。

そこで、指導者側の読みと段取りが必要となるわけです。今回はこれまでの制作に、私が指導者としてつけてきた段取りについて記したいと思います。

○原画作成

私は、これまで毎年制作される生徒会タペストリーを担当してきました。生徒総会での披露に向け、生徒会のリーダーたちが決めるスローガンに合わせて、約1.8m×1.8mの正方形の旗をつくるのですが、メンバーはたいてい1~3年の有志30名を超える人数が集まります。

メンバーには力量差もモチベーションの違いもあります。制作期間が5月~6月とあって、少し部活動の練習に疲れた生徒が、部活を休む口実にするために制作に参加するということも残念ながら少なからずあります。

とはいえ、参加した以上は達成感を味わわせたいということで、全員で原画づくりから始めます。学級旗制作などでは、おのおのが描いたデザインをクラスで投票して決めることがしばしば行われますが、タペストリー制作では段階をいくつも踏んで、協議を繰り返しながら原画決定・配色計画をします。少し大きな画面では共同責任というのが愛着につながっていくように思います。

最初はそれぞれがスローガンをもとにキーワードを拾いながらアイデアスケッチをします。
そのときに言うのは、「一枚の絵として完成させてもいいし、一部を採用する場合もあるから、とにかく自分なりの思いを形にしてみて。」です。「みんなで一つのものをつくる体験を楽しもう。」ということもよく言います。それらのアイデアは並べて検討し、誰かがまとめて次に提案する…を繰り返しながら、参加者が次第に合意を形成していきます。

原画が決まれば配色も全員がとにかく色鉛筆でやってみます。時間に余裕がないときは下書き作業と並行して行うこともあります。どれも完全な配色はしていなくても、いいとこ取りをしながら魅力ある画面を模索していきます。これはいいと思えるものを一度目に見える形にして、説得力のあるプランにしていかないと話し合いは混乱し、やたら時間がかかります。生徒が残したものを次には形にして示す…これが指導者の役どころかもしれません。生徒がつくってきた形やイメージを、生徒の声や要望を聞いておいて、もちろん必要なアドバイスを込めつつ次の機会に向けて準備をすることが、着実に前へ進める上で必要不可欠です。

こうしたノウハウが、担当者以外の先生方には伝わりにくいのが残念です。原画が決まれば、作品はできたようなもの。配色までできていれば、あとは目標を達成するためにやることが見えてきます。ところが、大抵の先生方は、一番苦しい(本当は一番楽しいのですが)原画づくり、つまり、構想の段階での生徒の動きやそれを引き出すための仕掛けにあまり関心を示さないのです。

絵が描かれるとき、アイデアスケッチから原画へ移行する際、同じイメージの繰り返しから、ふとしたきっかけで逸脱、跳躍、飛躍が生まれることがあります。何故、どうしてその変化が生まれるのかというのはとても興味深く、これこそが醍醐味ともいえるのではないかと思うのですが、とにかく、ドラマチックに画面が変わることがしばしばあります。そこで、種はできるだけ豊富に蒔いておくのです。バラエティに富んだスタートは「変化」のあらゆる可能性を秘めています。

その変化は待てばよい。待っていると必ず変化し、動き出します。それが集団で制作していく楽しみです。生徒会のタペストリー制作でも、今回の「キッズゲルニカ」でもそうして画面がつくられていきました。また、生徒がある工夫をしたら、それを惜しみなく取り入れます。大きな画面では、「いいとこ取り」がアレコレとできるので、採用された生徒からは喜びの声を聞くことができますし、互いのよさを認め合う機会になります。全体の画面の骨組みは確保した上で、細部に生徒一人一人の活躍のチャンスを与えると、それぞれの参加度が高まります。


○限られた材料を無駄にしない

学級旗制作ではほったらかしにしておくと、絵の具がどんどん減ってしまいます。一枚の学級旗の小さな面積に着色するのにどれだけ絵の具を出すの?という場面が多々見られます。混色の要領がつかめていないという点もありますが、面積と量の経験値が低いのが原因だと思われます。大量の絵の具が廃棄されていきます。もったいない。またいきなりの計画変更も多々起こります。十分に検討されないままスタートしてしまい、混乱の末、塗り替えになるわけです。重ね塗りほど無駄なものはありません。

キッズゲルニカも多分に漏れず、大量の絵の具を必要とします。できるだけ安価で、かつ、耐久性の高いものを選ばなければなりません。今回採用したのは、イベントカラースパウトパックA・Bセットと白2本、布用メディウム2本です。厚塗りをしてもひび割れが少なく、布への付きをよくするというので増粘メディウムを少し混ぜて使うことにしました。白はセットの1本とで計3本ですが、ひょっとするともう一本買い足さなければならないかもしれません。混色用には白は欠かせません。予算要求の都合で、原画ができる前に要求しなければならず、本来ならば、配色が決まった時点で単色を注文するつもりだったのですが、係の先生が、大作だから急ぐだろうと気を利かせて注文してくださったのでした。係の先生とは十分連絡を密にしておく必要があります。

では、与えられた絵の具をなおさら上手に作品の配色に生かして行かねばなりません。
(/_;)
そこで、画面全体に主調色を用いて彩色するのではなく、満遍なく配色することにしました。12色の色を使いこなしていく難題へのチャレンジというわけです。

スパウトパックとは、ビニール製の袋状の容器に蓋がつけられたもので、別の容器に移し換えて使用しなければなりません。ゴミが減量できることと少しだけ割安感があるというので採用しました。イベントカラーはすこし透明感があって、被覆力は同タイプのスクールガッシュの方が高いのですが、何と言っても価格が安くないと…ということで致し方ありません。用意するものは蓋付き容器。以前、鮭フレークの瓶を集めていましたが、こんな時に役立ちます。これも以前購入していたのですが、ドレッシング用の撹拌容器。これはフタを押さえて振りながら大量に同じ色をつくるのに便利です。大きな蓋付きというと、キムチのプラスチック容器が安定感があっていいですね。若干ニオイが気になりますが…。こうした移し換え容器を用意しておくととても重宝します。比較的少量の絵の具や修正用の絵の具は蓋付き瓶に入れておき、ラベルを貼っておけば必要な場面ですぐに供給できます。そして大面積はドレッシング用容器で1本~3本と大量につくっておきます。作業用のカップにどんどん注いでやれば、一気呵成に絵の具を求めてくる生徒を待たせることはありません。大面積の作品では、調色管理も指導者に求められる段取りの一つです。一度塗りで余った絵の具はこうした蓋付き容器にとっておくのです。制作が終わったとしても、混色した色であってもしばらくは保存可能。美術の授業や部活動に使えるものは使えば、環境中への垂れ流しも少しは減らすことができます。「もったいない」を地でいく私です。

彩色の手順も大切です。水彩画での指導と同様、バックの面積が大きい箇所から彩色させます。このとき、大面積ですと自分の彩色箇所の錯誤が考えられますので、あらかじめ下書きは鉛筆でしたあと、その色に近いペンでなぞっておきます。複雑に見えるところは、事前に少しだけ彩色を施しておいて、間違いを回避する配慮も必要です。彩色計画は入念に立てておかないと、たくさんの生徒で作業するときは混乱しかねません。

今回、制作場所はフローリングにした教室です。キャンバスを広げると長辺が教室の前後にまさにピッタリサイズ。生徒が58名全員で作業するのは不可能です。そこで、全体を8つの部分に分け、8班編制で取りかからせていますが、画面上半分、下半分で作業時間を分けています。従って、余計に、あらかじめ色をつくっておく必要があるのです。着色作業の時間、他の班には裏番組もつくっています。担当教師が誰になっても成立するような内容を示し、準備にも参加していただいて、こちらは「キッズゲルニカ」に集中できるように段取りを組んでおきます。裏番組の作業は、各教科展示のタイトルづくりです。今回は白抜きした文字にある色鉛筆画の構成作品(模様が美しい)を写させ、思い思いの色で彩色していくという課題で、生徒は写し絵だと思って気楽に取りかかりますし、色鉛筆の彩色を楽しんで、やり出したらはまります。思いがけず集中して取り組む姿に担当の先生方が驚いていました。

○彩色の醍醐味はこれから

これまではほぼ各班で同じ色を塗るという単純作業でしたから、あまり考えなくても、楽にできる点でどの子もしっかり取り組んできました。中には違う班の部分も塗りだして怒られた子もいましたが…。ここからは各班で取り組みが違ってきますので、指示がさらに増えていきます。短時間に上手く伝える方法と、色づかいが複雑になってくるので、調色管理も一層重要になってきます。段取りのよさが問われます。

あと実質5時間の勝負。まだまだ完成までは楽観できませんね。
先週ようやく着色が始まりました。あと2週間。月火水の取り組みで完成!…できるかっ?

夏休み前に「やる!」と簡単に宣言してしまった、『キッズゲルニカ』の取り組み。
ご存じの通り、ピカソの、反戦メッセージを込めた大作「ゲルニカ」の、あのどでかいサイズだけを借りて、子どもたちが「平和」への願いを込めてキャンバスに絵を描く取り組みです。

夏休みに入る前に、ようやく文化祭の役割が決まりました。本校では学年を展示、舞台の二つに分け、それぞれ「総合の時間」を使って、発表へとつなげていきます。今年の展示担当は58名。メンバーが決まったところで夏休みに突入してしまいました。

読みの浅い(…いや、深い?)私は、1年生美術の夏休みの宿題の一部にその原画を描くという課題を出して、夏休み明けまで事実上放置していたのでした。宿題は、四つ切り画用紙を配り、「我が街○○」「人権啓発ポスター」「CO2削減ポスター」と「キッズゲルニカ原画」の4つを設定し、その中から選択して取り組むという課題でした。キッズゲルニカ原画は1年生だけの課題です。

大義名分上、原画を一部の子どもたちだけ集めて夏休み中に描かせるということができない縛りを、無意識に、かけてしまっていたんだと思います。

夏休みの宿題でどの程度描いてくるかについては、はっきり言ってあまり期待はしていなかったのですが、結果、思った以上に原画を描いてくる生徒が少なくて、(たった3~4名でした)結局、全員に訴えかけて、みんなに原画を描かせて検討するということになったのです。

夏休み明け。いくらなんでも最初の取り組みで、いきなり「『平和』をテーマに絵を描きます。」と言っても、なかなか描けるものではありません。そこで、文化祭のテーマ「Love & Peace」と絡めて、「愛」ってどんなことばとつながるかな?、「平和」ってどんなイメージかな?…ということで、私なりのことばによるイメージマップをつくって印刷し、子どもたちに提案しました。

「愛」-「好き」、「人間」、「喜び」、「こわれやすいもの」、「守るべきもの」、「家族」、「隣人」、「苦しみ」…すべてを挙げませんが、結びつくことばを、ありとあらゆるものを粘りに粘り、振り絞って列挙しました。

同じく、「平和」-「安らぎ」、「温かさ」、「安全」、「安心」…、対立するものとして「戦争」を挙げ、その関連語を書き連ね、イメージと対比させてチャートで示しました。

それから同じプリントですが、今度はことばによるイメージマップを、表現するための具体物として、これも単語で示しました。「空」、「雲」、「太陽」、「鳥」(ハト、不死鳥…)、「地球」、「月」、「飛行機」、「紙飛行機」、「風船」、「気球」、「たんぽぽの綿毛」、「ひまわり」、「四つ葉のクローバー」、「宝箱」、「シャボン玉」、「ハート」、「人」、「道」、「足跡」、「木」、「草花」、「蝶々」、「ハートマーク」、「握手」、「リボン」、「世界」、「国」、「日本」、「京都」、「学校」、「スポーツ」、「歌」、「楽器」、「音符」、…。一部しか紹介しませんが、これらのイメージワードを、ゲルニカの作品の比率に近い長方形の中に、その絵が描かれそうな画面上の空間に配して、子どもたちに伝えたのです。

「愛」とか「平和」には、実はたくさんのイメージがあるのであって、単純に「ハート」や「ハト」、「スマイル」「国旗」…といったマークのようなものだけで表せるものではないこと、人間が、互いの関わりを強めながら、ようやく築き、そして守らねばならないものなのだというメッセージを送ったつもりです。

そして、一人一人に、今回の取り組みで自分が表してみたいイメージをプリントのイメージワードなどから選ぶように指示し、ついでそれを簡単なラフスケッチで表現させ、回収しました。

子どもたちのピックアップしたイメージワードやそのスケッチを集めると、なんだかとてもいいものができそうな予感がしました。

2日後、放課後の原画検討会(学年担当者を8つに班分けし、それぞれから原画担当者を選出させてます)で、具体的なイメージにつながりそうなスケッチを少し多めに取り上げさせました。それをもとに、いよいよ原画づくり開始です。

非常に難しい取り組みではありましたが、「太陽」、「虹」、「宝箱」、「たんぽぽの綿毛」、「足跡」、「ハト」、「ハート」、「シャボン玉」、「地球」、「木」、「道」などの絵がピックアップされ、それをどう画面に配置するかが検討されました。

その日に、宝箱からハートや風船が飛び出し、校舎を巡りながら広がっていくというイメージにまとまりかけましたが、一日寝かせて、休日に、改めて検討しようと言うことになりました。

部活動が始まる前の時間をねらって集まったメンバーで、続きの検討を始めましたが、宝箱の背後に生徒が肩を組んで長い人の鎖をつくり並んでいるというイメージに決まりかけました。そこで実際にキャンバスを見てみようということになり、それを広げた部屋に移動しました。その大きさに、はしゃいで、生徒が寝転んだそのとき、閃光が走ったのでした。

キャンバスシートは縦が350cm、よこが780cmあります。丁度横方向の折り目2マスで背の高い男の子の身長ぐらいです。

ふと「人文字でPEACEができそうだ!!」という直感が閃いたのです。そして、一声かけて、Pの縦線をやらせてみた後で、生徒にことわりました。「今まで考えてきたことを、ごめん、覆すようだけど、人文字にピンときてしもうた。そこだけ私にやらせて欲しい。PEACEを人文字でやってみたいねん」と。すると、2人の生徒が、キャンバス上でいくつかの文字になりきって見せてくれました。いよいよ確信が湧いてきました。

次の日。決まりかけた原画と、検討会でピックアップしたみんなのスケッチを集めたプリントを資料に、人文字の秘策をひっさげて、みんなに提案です。多くの支持を得て、人文字に票が集まったところで、では、人文字の背景画をさらにみんなに描き加えて欲しいと再提案して、それぞれにバックを描く作業をしてもらいました。

PEACEの背景に、ピックアップしたスケッチをもとに、思い思いに描き込んだ原画がいくつも提出されました。実現可能で、さらに組み合わせていけばよりよくなると思われるものを8つに絞り、三回目の時間に投票をさせました。その日の残り時間は、全校の取り組みであるハトとハートの形に切った画用紙を貼り付ける掲示物(はさみで切り抜いたものにそれぞれが意気込みを書き、掲示物とする取り組みです)の学年全員に配る下準備として、はさみでそれらを切り抜く作業をしてもらいました。

そして選ばれた上位4つの原画案を組み合わせる…。そこは指導者がグッと支援の手を入れてしまいましたが、何とか1枚の原画が出来上がりました。

今回の文化祭の取り組みでは、舞台の生徒たちは、「Love & Peace」をテーマにした創作打楽器演奏をします。たとえばフライパンや箒、ドラム缶が楽器になります。彼らのステージバックとして、展示の「キッズゲルニカ」を活用します。そこで、1年生一体の取り組みとして、全員に原画を紹介することにしました。

広い部屋に生徒を集めて、決定した原画を見せ、キッズゲルニカのキャンバスを全員の前で広げました。その大きさを確認した後で、とてつもないチャレンジが君たちを待っているのだと伝えました。教室に帰って、学校祭への意気込みを、件のハトとハートに思い思い書きましたが、「キッズゲルニカをしっかり完成させる」などの書き込みを見るにつけ胸が熱くなりました。

夏休み明けからのスタートで、完成は9月中を目標にしています。

すでに9月も三分の二が過ぎ、やや焦る気持ちもありますが、段取りをつけられるところはめいっぱいつけて、しっかり追い込ませていこうと思います。

その段取りアイデアは次回あたりに紹介しようと思います。(つづく)
久しぶりの更新です。

そして、久しぶりに髪型も変わって2週間目となります。

とりあえず、長く伸びてきていた髪を切りたい…。
それが目的で行きつけの美容院を7ヶ月ぶりに訪れたのです。

月曜日、その髪型で学校に行くと、玄関先で、まずは、同僚の男性教員に
「おおっ、イメチェンですね!!!」と驚かれました。

それから先は、授業に向かったどの教室でも、美術室にやってくるどの生徒も、
職員室に訪れて出会う生徒たちも、個々に、もれなく、ニンマリ笑ってリアクションをしてくれました。

いいよ、私の髪型で笑顔がこぼれるんだったら、どこまでもつきあうよ。

笑う。指を差して笑う。手をたたいて笑う。腹を抱え、口に手を当てて、こらえきれない様子で笑う。

足をジタバタさせて笑う。究極はフローリングの美術室に寝転んでギャハギャハ笑うヤツまで出てきました。

そして、我が校の生徒ちゃんたちは、遠慮ということを知りませんから、次々に呼び名をこさえてくれます。

曰く、マッシュルーム、きのこ、ブロッコリー、カリフラワー、ヘルメット、カツラ…。
人名では、ちびまるこちゃん、ikkoさん、桃井かおりさん、木村カエラさん、「火垂るの墓」の節子…。

いいんです。何と言われようと。

これをご覧の皆さんは、どんな想像をされたでしょうか。

私と面識があるけれど、容易に会うことができない皆様、とりあえず子どもたちの反応からじっくり想像してくださって構いませんよ。えぇ。

そのうち慣れます。間違いなく慣れるんです。

人差し指を立てて、「どんだけ~っ!」と振って見せるだけで、腹を抱えて笑っている子どもたちを、私はおおらかに受け入れますとも!なかなか時間になってもそろわない生徒たちを見て「こんだけ~っ?」と言ったときも何故だか笑いが起きていました。

髪を切って大体2週間経ちますが、明日はたまたま先週授業がなかった小学校へ出向きます。
この際、最後の子どもたちの反応を、存分に楽しんでくるつもりです。

ところで、色研の色彩指導者の登録のため、先の日曜日に証明写真を撮り送付しました。
担当のS氏、吹き出していなかったかなぁ。それが若干心配です。
by my-colorM | 2008-09-18 22:20 | 日記
私の勤める学校にはSC(スクールカウンセラー)が二人配属されています。週に1、2回それぞれ違う曜日に来校されます。主な活動場所はカウンセリングルームですが、今年はたまたま職員室での座席が私の席の向かい側にあり、仕事を終えた先生方と顔を合わせ、ときどきお話をすることがあります。お二方とも私と同世代といえるでしょうか。

一人は女性カウンセラーです。時にはカラーセラピーや手相などの手法も使いながら、子どもたちの心を開き、受容と共感をもってその声に耳を傾けて下さいます。この間なんかは「今日、手相の先生来てる?」(敬語が使えていないのはこの際スルーしてください(-_-;))と、待ってました、とばかり職員室に尋ねに来た生徒がいたほどです。週1回来られる日の昼休みや放課後、カウンセリングルームを訪ねる生徒は結構いるようです。

もうお一方は男性です。「ふるかわ家族カウンセリング研究所」を開き、開業臨床心理士としてカウンセリングを行ったり、講演活動もされる傍ら、スクールカウンセラーとして、また、スクールカウンセラーのスーパーバイザーとして活躍されています。「家族療法」という手法で、戦略的、積極的に問題解決に関わることで、子どもたちの不登校や神経症、非行などの問題や症状の改善に取り組まれています。身近では本校や校区小学校の事例を、数回の家族面接を通して、ケースごとに違ったアプローチをかけながら、改善を図っておられます。

先週の土日、その男性臨床心理士、古川秀明先生の「初心者のための家族療法基礎講座2008」が開催されましたので受講してきました。予定定員30名のところ50名参加と盛況でした。

受講のきっかけは、その週に行われた校内研修で先生の講義をお聞きしたことからでした。

学校の教師は、今、ADHDやアスペルガーなどの自閉症スペクトラムの生徒を抱えたクラス経営と授業展開に、また生徒の問題行動や不登校生徒への対応に、困難な保護者との対応に、増え続ける事務仕事に、そして自身の家庭生活に、と、消耗しています。校内研修会はそうした私たち教職員の疲弊を少しでも軽くしようという応援メッセージが込められた温かいものでした。教職を長くやっていれば、誰しもが理不尽な暴言にさらされ、つらい対応に心を蝕まれた経験があるものです。それらは長年の澱(おり)となって、また、ささくれや棘となって、心の中に居座り続けるのではないでしょうか。その思いに寄り添い、どうしたら教員が自分の心の健康を保っていけるか、数々のヒントを与えてくださりました。どれも重い話なのに、持ち前のユーモアとスピード感のあるトークにより、いとも簡単に笑いに変えてしまう魅力に、もうちょっとお話をお聞きしたいと思ったのでした。そして何より意外だったのが、先生がシンガーソングライターで、そのお話と連動した曲を歌われるというおまけ(ご当人はそれが本職かのようにおっしゃっているので、このことばはあたらないかも…)がついていたことでした。研修会では「がんばれ!ティーチャー」という曲をギター弾き語りで披露されました。聴いているうちに、ありがたくて涙がこぼれそうになる、教師への応援歌でした。

さて、長い前ぶりでしたが、二日にわたる基礎講座は、1:30~5:00、間に10分程度の休憩を挟み、合計7時間の講座でした。ミニューチンの「構造的家族療法」(立命館大学の団士郎氏が先生の師匠だそうです)の基礎である「システム論」を中心に、難しい専門用語は使わず、初心者にも大変分かりやすい内容で進められました。「あっという間に始まって、あっという間に終了する」研修会をモットーにされているとのことですが、文字通り、一切退屈する場面がなく、居眠りしたらもったいないお話をたっぷり聴かせていただきました。先生は色んな引き出しを持っていらして、話題に事欠かず、まだまだお聴ききしたいと思わせる二日間でした。

「システム論」と対極にあるのは「因果論」です。

因果論では、「問題」には「原因」がある、とします。それは当然なのですが、この場合その問題と原因は1対1で対応し、つきとめた原因を除去することで解決を図ろうとします。例えば、子どもの非行が父親の養育態度が原因じゃないかと考えたことにしましょう。この場合、原因(犯人)は父親です。仮に「あなたが原因ですから、その態度を改めてください」と迫ったとします。原因とされた側は、完全に犯人扱いされているわけですから、素直に受け入れることなど、まずありません。「私ではない」と否定し、「あなたが原因です」と迫った人間に敵意をむき出しにして抵抗するでしょう。そうして援助者(カウンセラーや教師)が保護者と敵対したら問題は棚上げにされ、解決どころか、放置されることになります。そうなったら子どもの非行という問題はさらに悪化しかねません。というわけで、因果論にたったアプローチは誰もが対立(敵対)という失敗の危険を孕んでいるので、絶対に避けなければならないということがわかります。

システム論では、原因は様々にあるという観点をとります。その原因には、家族関係のいくつもの様相が考えられます。

それは、…


おっと、受講料を払って聴いてきた講座です。私には6時間強あったお話をすべて記事にする気前のよさも、はたまた才覚もありませんし、先生からそこまでの許可を得てもいません。ですので、内容はこのぐらいで止めておきます。

先生には、ユニークな生育歴があるようです。それは名付けからはじまり、お母様の養育方針からきているらしく、そのお話の一端を聞いたらどうしても続きが聞きたくなります。

また、十数年の開業臨床心理士としての経験から、様々な感動的な事例をお持ちですし、お話には笑いあり、涙あり。自分自身の家族を振り返るよい機会にもなります。聴いている内にカウンセリングを受けているような癒し効果があるようで、元気をいただけたように感じました。

極めつけは歌です。なんとCD「夢、情熱、あこがれ。」を出されています。臨床心理士の経験があるから書ける、いい曲があるんですよね。

講座の最後に、その一枚目のCDに入っているもの、入っていないもの全部で8曲歌われました。涙があふれて困った曲もありました。臨床心理士になる前は、養護学校に勤めていらして、そこで出会った生徒さんの優しさを歌った「先生と呼ばないで」という曲が中でも一番好きです。その曲の中で、先生が歌手になりたかった自分のことを書かれています。

「歌う臨床心理士」、「カウンセリングもできるシンガーソングライター」、「カウンセラーのスーパーバイザー」、「笑いと涙のエンターテイナー」、…、古川先生をどう表現したらいいのでしょう。

今回、私も「家族療法基礎講座修了証」をいただきました。ですので、とりあえず僭越ではありますが、「家族療法界屈指の伝道師」の称号を私から…。

2009年春、また研修会を予定されているそうです。伝道師、次はどんなおもしろいお話をしてくださるのでしょうか。楽しみです。
by my-colorM | 2008-09-07 10:36 | 日記