カラーデザインのプレゼンテーション

本日は昨日の色彩基礎セミナーに引き続き、大阪駅前第2ビル6Fで行われたカラーコーディネーターシンポジウムに参加しました。

昨日お世話になった日本ペイントで車のカラーデザイン部でカラーデザインの仕事を手がけているという方から、ヒットカラーがどのように生まれるかというお話を、実際の自動車メーカーへのプレゼンテーションを交えて、聞かせていただきました。またもうお一方からは、デザインコンセプトをヴィジュアルツールでデザイナーに伝える手法を開発された事例を紹介いただきました。

車には縁遠い私ですが、これでも東商カラーコーディネーター1級商品色彩を取得している身。大変興味深くお聴きしました。

光輝材(アルミフレークや雲母片)の入った塗装により、カラーもさることながら、質の時代に入ったという自動車塗装の世界。ここ十数年は日本の自動車産業がリードしてきたともいえるカラートレンドの最先端を手がけているというその女性のプレゼンテーションは自信に満ち、聞き応えがありました。カートレンドカラーアウォードの受賞作品が自社製品であることを語る彼女の照れながらも満面の笑みを浮かべているその表情が印象的でした。

それにしても、トレンド動向の情報収集の極意は実際に足で稼ぐものだということがよくわかりました。どんな色や物が売れているのかをつかむために、インテリアのセミナーにも参加されるし、○○コレクションなどのファッションカラーもチェックされているし、店はもちろん、映画、美術館、出かけた先のありとあらゆる場面で本物を見ることが大事だとおっしゃっていました。もちろんテレビ・新聞・雑誌なども情報源として活用しながら、「時代の気分」を的確につかみ、次のカラー戦略を立てていく…。日々の生活がリサーチなんですね。

今開発している色は二年後に商品化(実際に自動車に塗装される)とのこと。若干思惑よりも早くカラー展開が進んでしまう分野もあるそうです。逆に、何年も前に開発した色が時を隔てて見直されることもあるようで、そこら辺がおもしろいところですよね。

さて、今は女性が元気な時代だそうです。車の色もファッション感覚で展開する時代になってきていて、以前では考えられないようなカラーが売れる原動力になっているそうな。

そういえば、セミナーにしろシンポジウムにしろ、圧倒的に女性参加者が多いです。車の塗装がテーマだったり、塗料メーカーの実習だったりするのに、大半が女性でした。

しなやかで粘り強い女性の時代がこれからも続いていきそうな気がします。

さて、もうお一方は男性でした。人の視覚の制御困難に触れつつ、ご自分が開発された光輝材入りの塗板を測色したデータを元に、立体的にヴィジュアル化するデザインツールについて、その利便性と限界とを事例をもとに分かりやすく語られました。

人間の目には強い放射エネルギーを瞬時に抑制する働きがあって、すぐに調整し順応しようとします。ところが光学機器はストレートにそれを電気エネルギーに変換します。そこで人間の目には色順応によって普段見慣れた色に置き換えられたある色も、デジカメで撮影すると大きな色ずれに感じられるほど違って見えることがあるというのです。ダイナミックレンジの問題ではないかと説明されていました。

彼は、それを凍った滝を写してPCで再現したときに実感したといいます。人間の目とカメラでは色の見え方が異なることを私は以前名古屋の赤幕の中で感じました。夏のお昼時、真っ赤なアーケードは私の目には赤く見えているのに、デジカメも携帯カメラもアーケードの骨組み以外は黄色く写っていたのです。インターネットで同じ場所の写真を見つけたときはそのようには写っていませんでした。おそらく撮影時刻や天候が全く違っていたのだと思います。そのときも刺激を弱めているんだろうとは想像しましたが、それが何故起こるのか自分ではきちっと結論が出せなかったことを覚えています。

ひょっとすると、今回の人間の視覚は制御困難というお話の中にその答えがあるのではないかと感じました。強い日差しの中で、目は強い光を抑制して赤に見ていたのでしょう。けれど光学機器であるデジカメはそのまま物理的に反映し、再現したということなのでしょう。

人間の視覚は、物理的に色温度をちょっと変えましょうといって変えられるものではないという厄介さがつきまといます。とりあえずそれがカラーコミュニケーションを難しくしているんですね。

久しぶりに外へ出て、色にまつわる勉強をすることができました。


明日から3日間は東京です。またおもしろい発見があればUPします。
by my-colorM | 2008-03-22 22:28 | 色の話