やっぱり、オレ、オレ…?!
そしてその30分後に「どうしても欲しい。今すぐ返答しないと手に入らないから…。」というせっぱ詰まったような電話口の息子の声。
●0万円もの高額な買い物!(適当に想像して下さい)
イタリアに直接買い付けに訪れたサークルオケのトレーナーからの出物情報に、完全に心を奪われている。日本で業者を通して買えば100万は下らないという代物だという…。
「ヴァイオリン」である。
現在某楽器店から月に1万円でリースしている。高校でコンマスを努めた時に一時期借りていた楽器だ。(中学校の時に買い与えた2台はすでに全く見向きもされていない。)
演奏者は楽器によってやりたいことが制限されてしまう、それが息子の主張だ。また、今後数年借り続けて同じ代金を支払っても、手元に残らないのでは空しい。それならば今回、同じ額面で購入すればコストパフォーマンス性がかなり高いだろうということを根拠にしている。さらに、篤い信頼を置いているトレーナーからの情報だからと微塵の疑いも抱いていないようなのである。
寝付いた時分、日付がかわって再びかかってきたお願い口調の電話にも辟易だったし、現物を手にとって確認しないで購入を決めるというイレギュラーな買い物に不審もあったわけだが、息子の決心は揺るぎそうになく、渋々ながらOKを出さざるを得なかった。相手に押し切られた形だ。
これで完全に、資金計画が狂ったではないか。実家の父への温泉旅行のお祝いは心ならずも遠ざかってしまったのだ。なんとも口惜しい突然の出費である。
ところが、昨日の晩、「できるだけ早く送金を」との唐突なメールが来たので、こちらもメールでガツンとたしなめた。
実のところ、催促メールが来る前に資金は調達していた。先様に迷惑がかかってはならないというせめてもの心遣いだった。しかし、そのメールの文面が大いに気に入らなかったのだ。
仮にも人に大金を工面して貰う場面だ。言葉は細心の注意を払って使わねばなるまい。様々な事情を抱えながら人は暮らしている。右から左に簡単にお金が動くことは、よほどのお金持ちでもない限り期待できることではない!と、知るべきである。
しかしながら、結局、明日にも思いがけない大金を送る羽目になってしまった。
つい先日、誕生日のジョークだと思っていた矢先のことだったのに、とんでもない「オレ、オレっ」事件に、まんまと引っかかってしまった私だ。
ったく…。情けない様である。
息子さんの満足するようなものが届くといいですね。
こちらこそド素人ですからね。全く心配させられます。
信頼するトレーナーのお目に叶った代物。どうやら本人にとったらとても満足のいくものだったようです。愛器としてかわいがって研鑽を積んで貰いたいものです。やれやれです。
音楽を始めてからどんどんおねだりの金額が上がっていきます。今回で打ち止め宣言を致しました。ホント、キリがありませんもの。