どうなる京都市の点滅電飾広告全面禁止

京都市は11月、看板など建物の屋上広告物と、ネオンサインなど点滅式の電飾広告物を全市で禁止するなどの新たな景観施策を発表しました。景観、眺望の保護が狙いで、既存のものも対象とするとのこと。来年2月にこのための屋外広告物条例改正案を市議会に提出、2007年度早期に施行したい考えだそうです。

その内容は「点滅ネオンは屋上でなくとも禁止。常時照明がついていれば屋上でなければ認める。広告物の規制に併せ、都市計画上の建築物の高さ制限も市中心部などで強化する。」といったもので、計画通りにいけば、条例の経過措置が切れる6年後には市内からこれらの広告物は姿を消すことになります。

こうした京都市の景観施策に対し、全日本屋外広告業団体連合会(東京)や全日本ネオン協会(同)など業界団体が、共同で実施時期の延期を求める要望書を市に提出するという行動に動き出すようです。要望書には協議する時間が足りないとして実施時期の延期を訴えるほか、規制される側の話を一切聞かずに実施方針を決めたことに対する疑問も盛り込まれるとか。

確かに目に余る点滅式電飾広告が街にあふれかえっています。行き過ぎたビルの屋上の看板や、派手な点滅ネオンなどは古都の景観にはそぐわないとする見方は間違っているとは考えません。寺社などの多くの歴史的建築物と並木などの緑、大文字山など市内からも見える山並みが混然一体となっている古都京都の景観にはけっして似つかわしいなんて思いません。

それではどこまでが行き過ぎと考えるのかということが起こってきます。これはまた難しい判断をせざるを得ません。そこでグレイゾーンを作らないために「全面禁止」となるのでしょう。しかし、「全面禁止」というのは関連業界には死活問題になりかねない規制であることは否めません。影響が大きすぎる規制です。それを有無を言わさない手法で決定するというのはどうなんでしょう。もっと規制の経過措置期間を緩める、世界遺産レベルを中心として古都の景観を保全する視点場を厳選し、逆に規制緩和地区を設けるなどの措置をとらないと強い抵抗に遭いそうな気がします。

また京都の四季折々の街の「夜の賑わい感」というのは訪れる観光客にとってもそこに生活する市民にとっても重要な魅力的景観であるはずです。そのあたりの意見を吸い上げての判断はなされるのでしょうか。観光が大きな収入源。京都の夜はどう演出するのがベストでしょうか。

考えてみれば、今回の京都市の景観条例の見直しは、ずっと放置してきて混乱が行き着くところまで行ってしまってから慌てて持ち出したといったような印象があります。かつて高さ制限が緩和されて街中にホテルやマンションが次々に建ち、五山の送り火が見られなくなったというような景観破壊が進みました。そんな中で五山の送り火を観光資源として保全するため、いくつかの視点場を設け、今回新たに高さ制限を強化するとのことです。またバブル期には地上げによってどんどん街中の空洞化は進みましたし、町屋の景観も破壊されました。今回の改正は京都らしい景観づくりが最大のポイントとばかりに改正案が示されていますが、何を今更という感じがぬぐえず多くの人が悔しい思いをしていることでしょう。

ましてやこうした強行決定とも思えるような経過は「市民参加のまちづくり」という国の景観政策から逆行しているように私には思われてなりません。 行政も市民も企業も一体になって景観を考えていくプロセスこそ21世紀型であると、この間、学んできた矢先。何とも目が離せない情勢ではあります。

市は今月末までパブリックコメントを募集中。既出の団体の要望についても「意見として承る」としているとのことのようですが…。
 
by my-colorM | 2006-12-17 16:11 | 色の話