そもそも…

私は中学校で美術の教師をしております。年齢がばれますが、今年で早24年目となります。

そして色彩検定・カラーコーディネーター検定試験を受け、1級を取得しています。
色彩講師養成講座を修了し、現在名ばかりですが色彩学会正会員2年目でもあります。
いわゆるライフワークとして「色彩」を研究すると共に、色彩教育に関わりたいと心の底から願っています。





ことの始まりは3年半前。
私は当時2年生の生徒に申し訳ないという気持ちを抱いていました。
カリキュラム変更に伴い、1年時に学習するはずの「色の学習」に全く手がつけられず、2年時に持ち越してしまったからです。
その埋め合わせに、2年生には「色」を少し発展的に教えてやろうと考えました。

通常、1年生では、無彩色と有彩色、色の三属性、色相環、寒色と暖色、トーンあたりで終了してしまう内容ですが、色が見えるわけ、光の三原色と色料の三原色、色の感情、色の機能、混色、対比にも触れ、少し詳しく教えてみようと考えたのです。

そうなると教科書だけでは不十分でした。よりわかりやすい図版はないか、生徒を引きつける楽しい提示物はないか…。書店で探し回っているうちに、たまたま視覚デザイン研究所の「色の本棚」シリーズと色彩検定対策テキストに出会ったのです。

たとえば、色の見えるわけでは、対策テキストの可視光の範囲を示す図は画期的でしたし、色の感情では、軽重、硬柔が「色の本棚」では一目瞭然でした。また、前進・後退は対策テキストがとてもわかりやすかったですし、そのほかにも色の機能を伝える図版、補色実験の図版などなど…、「なるほど!」と思わせるものがいろいろとありました。それら見つけた図版を使って、あれこれと解説をしながら授業を進めていったものです。

子どもたちはいちいち感心してくれました。そして「色っておもしろいなぁ」とつぶやいてくれたとき、私は心の底でガッツポーズ!!をしました。まさに生徒が術中にはまってくれたのですから…。

しかし、その授業は生徒の関心を引くだけにとどまりませんでした。

「色については、もっともっとおもしろい、先生も知らないようなことがあるようですね。『色彩検定』という『英検』や『漢字検定』のような、資格試験があるらしいのですが、みんなに見せたのはそのための教科書の図版で、そのほんの一部です。」と、授業の成り行きで、何気なく『色彩検定』という検定があるのだと告げることになってしまったのです。

すると思わぬ反応が返ってきたのでした。

「先生は何級なの?」。
私が受けていないと言うと「先生は受けないの?」と次は直球を投げかけてきたのです。
「3級ぐらいだったらすぐにとれると思うけど…。」というと「じゃ受ければ。」の一言。
「みんなも受験できるようだから一緒に受けてみますか。」などと言いながら、結局は私の受験宣言となってしまったのです。

有言実行。

これは嘘偽りのない教師の姿です。その年の冬の試験はずいぶん迫っていましたので、彼らが3年生になった夏の試験で3級・2級を受けることとし、生徒たちにも告げました。そして、2級も合格できたので、冬に1級を受けることを決め、やはり生徒に受験宣言をしました。「みんなも入試があるけど、私も1級を受けてみます。」と。そして、彼らが卒業するまでに合格の結果を受け取ることができたのです。

次の年の1年生には日本色彩研究所から出ている中学生向けの「色の学習」という教材を使って系統的に学習し、後の制作に生かす知識を学ぶという授業を展開しました。三原色カラーと白だけで作品を彩色することを押さえ、混色理論をある程度身につけさせることができたように思います。

現在、小学校にも兼務で出向くようになり、折に触れて色の豆知識を取り混ぜた授業を展開していますが、道半ば…。まだまだ色彩教育という仕事からすると十分とは言えない未整理な段階なのではないかと考えています。

色をセンスだけにとらわれず効果的に使って表現していく方法など、身につけさせてやりたいことはたくさんありますが、限られた時数の中で何をどう扱って展開していくのか…。まだまだ課題山積といったところです。
by my-colorM | 2006-09-27 22:02 | 日記