感嘆!

f0008085_10191134.jpg9月2日の北畠先生の講演会で手に入れるチャンスに恵まれた「Desktop Color handbook 05/06」(非売品)です。
今朝手にとって初めてゆっくり観させていただきました。

北畠先生の書かれた色彩科学文化史3000年の歴史を一気に概観するにとどまらず、(株)ナナオのカラーマネジメント液晶モニター「ColorEdge」を使用するための副読本として、カラーマネジメント(カラーマッチング)の最前線に触れることができます。もちろん以前記事に取り上げた「340線」の印刷技術を使用した図版が載っています。カラーを扱うクリエーターにとっては見逃せない一冊では?もちろん宣伝の意図ありありです。こうした最新の機材やソフトを導入するのはなかなか困難なのではないでしょうか…。

この本は読み物としてのおもしろさもありますが、WebセーフカラーのCMYKカラーチャート(色見本)、CMYKカラーチャートそのものが載っていたり、本自体に簡易カラーファインダー(色合わせ用のスリットに色紙やカラーチャートを挟んで使用する、CMY値付き)がついていたり、紙面の端にはCMYの色見本にものさしが印刷されていたり…、とRGBを用いる写真家やデザイナーとCMYKを扱う印刷オペレーター(というのでしょうか)をつなぐ心配りが感じられます。カラーを扱うすべてのクリエーター向けの最新のソフト、ハードの紹介がメインなのでしょうが、本書の出典・参考図書には丁寧にも推薦図書の表示までついている至れり尽くせりの内容です。

そもそも、同じ光源下における人の目に見える実物の色、デジカメ画像の色、それをスキャナーでとる画像やPCのグラフィックソフトでつくる画像とそれらをモニターで表示した色は、それぞれの段階で必ず色ずれが起こります。モニターの個体差はもちろん、モニター単体でさえも時間の経過で色再現が変わる厄介さを抱えています。ただでさえRGB方式のこれらの段階で、すでに色は狂っていますが、そこを人の目で見比べながらハード、ソフトの両面で調整しなければなりません。さらにその値を印刷のCMYK値にソフトで置き換え、プリンターで再現するという、何段階もの操作を経て印刷物が世に出てくるわけですよね。

基準となる色がモニターと紙の上ですでに大きくかけ離れているという難しさの中で、より私たちの自然な見えに近い印刷物を提供していこうとする出版・印刷クリエーターの力は凄いと思います。それを支えるソフト・ハード開発の企業努力にも敬意を表したいと思います。

ちなみに、ナナオのColorEdge CEシリーズ「タッチ&トライ イベント」が開催されるということです。カラーマッチングの実際を見学・体験されたい方は足を運ばれてはいかがでしょう。名古屋ショールームでは9月21・22日に開催されるそうです。
by my-colorM | 2006-09-18 11:58 | 色の話