用と美そして…

工芸において念頭に置く価値観が「用と美」です。

これは、美術で教えるべき価値観ですし、工芸作品に込める大切な考え方であると承知しています。

用(用途、使い途)を重視するということは機能に重きをおく、見た目には魅力に欠く作品になりがちですし、美(美しさ、楽しさ)を重視すると合理的な使用に支障をきたすことがある。そんな二元的な振れに指導が終始することがあります。もちろん、機能美という考え方もあるにはありますが…。

今日、カラコ「環境色彩」のテキストを読んでいましたら、おっ?と思える記述にぶつかりました。

…絶対的な価値基準つまり「良い-悪い」という二元論的な考え方ではなく、じゃんけんの<グー・チョキ・パー>のような相対的で「価値のトライアングル構造」とでも言える価値観のスタンスをもつことが求められる。

との記述に加え「環境デザインの造形を支える美の構造」として、「用・美・強」「形体・色彩・質感」の2つの正三角形が逆向きに重なり合う概念図(星形六角形=ヘキサグラム)が書かれています。「用・美・強」を形成する要素として「形体・色彩・質感」が関わるとしているようです。

なるほど環境デザインですから、安全性や耐震性、耐候性といったいわゆる「強さ」が要求されるのでしょう。美術の作品で実用に耐えるほどの強さをもったものを果たしてつくらせているだろうかと考えるとなかなか…です。実用的な「工芸」や「デザイン」において、これからは「用・美・強」の3つの価値に照らして考えさせる方向に改めていくべきなのかもしれません。

2つの正三角形を重ねた価値観の構造図がテキストにはほかにも随所に登場します。ある3つの価値観とそれを形成するための3つの要素の重なる構造概念。物事を二元的な振れで判断するのではなく、別の視点を設けて広がりのあるとらえ方で豊かに把握する三角形の発想。さらにそれを実現させる要素が重なる。誰がこのような価値観のとらえ方をはじめたのでしょうか。いちいちなるほどなぁと感心してしまいました。

三連休の初日、テキストをザッと読み始めましたが、なかなかおもしろい記述があります。

それにしても、どれだけ睡魔が襲うか!疲れがピークだからなのですが…。

勉強モード宣言の初日でしたが、前途多難です。