色彩を使ったテクノロジー

色の技術もこんな風に使われるとなんだか期待できる…
というようなニュースが飛び込んできました。

サンゴの蛍光たんぱく質応用、分子の動き判別 理研開発

写真は細胞内の小器官とのことですが、
まるでどこかの公園を上から撮影したような、あるいは設計図のような感じですね。

それではここで使われている「蛍光」とは一体何でしょう。

「蛍光」とはある種の物質にある波長域(スペクトルの一部)の光を照射したとき、
吸収された光が波長を長いほうに変えて再放出される現象をいいます。

人間が見る物体の色は、可視域(380~780ナノメートル)の光が物体表面を照明し、
これの反射光に基づくものです。

これに対し、蛍光物質を含む蛍光物体は一般の光反射に加えて、
紫外線のエネルギーを吸収して、可視域で発光するという蛍光発光特性を示します。

蛍光色(有彩蛍光色)は可視波長域の光に加え紫外域の光のエネルギーを吸収し、
再放出します。
それによりそのもの自体の反射色と蛍光が加算されてより鮮やかに見えます。
たとえばオレンジの蛍光色は反射されたオレンジと蛍光が加算されて
より鮮やかに見えているということです。

物体(分子)が外部のエネルギーを吸収し、高いエネルギーを持った状態を励起といいます。
励起状態は大変不安定で、安定したもとの状態に戻ろうとします。
蛍光物体が紫外域の波長をもつ光を照射すると
そのエネルギーを吸収してその色素が励起状態になり
物質が可視波長域でエネルギーを蛍光として発します。
発光によって出力される波長は蛍光物質によって一定です。

今回の記事ではサンゴの蛍光物質の蛍光特性を遺伝子操作でつくる技術が
応用された例と言えます。

さて、蛍光物体の話題を受けてもう少し身近な取り組みとして
蛍光色を使った光の演出にも言及しましょう。

私の学校でもブラックライトと蛍光色を使ってファンタジックな演出をして
行事に華を添えています。

真っ暗にした体育館のステージで黒子になった出演者がブラックライトのなか
蛍光カラーで着色した手袋や星形の作り物をかぶせた手でハンドダンスをするのです。
真っ暗な中でそれはそれは美しく、夢見ごこち…。

ところで「ブラックライト」というものはご存知でしょうか?
これは、近紫外線を強く発光する蛍光灯です。
近紫外線というのは可視光線と紫外線の中間の域で、人間の目には見えません。
波長は300~400ナノメートルで、エネルギーは高い方です。
この近紫外線を蛍光物質に当てると、それ自身が光るわけです。

ちなみに真っ暗な中でブラックライトを当てると、靴下やシャツが青白く見えるのは
白に含まれる蛍光増白剤に近紫外線の光が吸収され
波長が長波長側に変わって再放出されるので青白い光を帯びて見えるわけです。
ハンドダンスでは出演者は黒ずくめにする必要があります。

再びもとの話題に戻ります。
ある種のレーザー光線を別の波長に変えて再放出する性質をもつ蛍光たんぱく質の
利用による今回の分子ごとの色分けという技術。
これによって薬品の作用を見ることが可能ということです。

色がらみの技術といえば青色LEDの発明から
街にはこれでもかというくらい極彩色のにぎやかな電光掲示板が増えましたし、
クリスマスツリーもなんとも冷たい印象を覚えるようになりました。
好みかもしれませんが私などにはこのような使い方はどうも気になります。

色の技術が有効に活用されることを願ってやみません。
by my-colorM | 2006-05-01 23:48 | 色の話