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慣用色名「朱色」「バーミリオン」に対応するカラーカードは?

掲示板での私自身の書き込みをもとに展開しています。

JIS慣用色名では「朱色」と「バーミリオン」は同じマンセル値で示されています。

ところが私の3級テキストではp40の「朱色」とp42の「バーミリオン」は
全く明度が違って見えます。
近いカラーカードは「朱色」がv3、「バーミリオン」はv4が妥当かと思われます。

これが試験に出たとき
PCCSカラーカードをどう対応させたらいいでしょうか。


印刷による「色の再現」はこれが公式の試験であっても但し書きが書かれるほど
多少の誤差が生じるのは避けて通れません。

ましてやPCCS199カラーカードにしても
「Lot Noが変わると色が異なる場合があります」と
ことわり書きがありますよね。
印刷物には必ずついて回ることです。


したがって、今年のテキスト改訂で
JIS慣用色名としマンセル値を載せていることの意味は
まさにこのような混乱を避けるためであろうと私見ですが考えています。


vトーンのマンセル・ヒューの対応は3級テキストに明記されました。
ですから、これを判断材料にしましょう。
基本的にはその方法で判断せざるを得ないし、
それに従えば間違いないと思います。


それでは、改めて「朱色」「バーミリオン」を見ていきましょう。

マンセル値について、まずヒューを比較します。
すると6Rはv3(7R)に近い。1差です。
v4(10R)だと4も数値が離れて行きますよね。

次にバリューはv4の方が該当しますが、
明度差の0.5よりも色相差の方が判断材料としてはっきりしています。

ですから、マンセル値で割り出した「v3」が
「朱色」「バーミリオン」に対応するカラーカードという結論に達します。


色研の「慣用色名チャート」裏面にこんなことが書かれています。


「慣用色名は時代により変化が大きく、
また業種によってもそのイメージや扱われる色名の種類も異なるため、
標準として定めることが難しいものであります。
しかし、完璧な標準を作り得なくても、
普遍的な色名、工業界で使用されるなかで
公約数的な色名、教育上で必要な色名などは標準化する必要があるため、
日本工業規格(略称JIS)の「JIS Z 8102(2001)物体色の色名」で、
269種類の慣用色名が制定されています。
慣用色名の色の位置は、一点による表示ではなく、
範囲で表示されるべきでありますがJISでは、
それぞれの色名が当てはまる代表的な色の位置を
三属性表示(HV/C)で示しています。
この「慣用色名チャート」は、
JISで定められた269種類の慣用色名について、
その色名と三属性表示を示し、
また、その三属性に基づいて作製した色票を貼付しています。」


私が購入したこの「慣用色名カラーチャート」は
和名と欧名の2分冊になっていますが、
けして安い物ではありませんでした。
件の「朱色」と「バーミリオン」は
ほぼ差が見つけられないくらいの近い色票が貼付されています。

なかなかこの精度でテキストを印刷することはできそうにないですね。
199カラーカードについても同じです。
コスト面を重視せざるを得ないのでしょう。




印刷の宿命に気づかされる発見です。
by my-colorM | 2005-12-11 12:03 | 色彩検定1級2次対策 | Trackback | Comments(0)